日々の恐怖 12月22日 エレベーター(3)
その時に、押していないエレベーターのランプが4階・・、5階・・、と登ってきた。
“ あれ・・、警備員さんが事務所の施錠にくるのかな・・・?”
と思い待っていると、
“ スーッ・・・・。”
とエレベーターの扉が開いた。
ところが、中には誰も乗っていない。
その時にやっと聞かされたエレベーター事故の事を思い出して、怖くなり震えた。
怖くてエレベーターの中に入る事が出来ない。
“ どうしよう・・、どうしよう・・・。”
と、エレベーターの開ボタンを押したまま悩んでいた。
エレベーターとは少し離れた場所に階段があるのだが、物凄く急な階段で明かりが一切ないので、そちらを使うのは危険という意味で怖かった。
怖くて怖くて仕方無かったのだが、23時15分の約束の事もあるので、恐る恐るエレベーターに乗り込み1階へと向かった。
1階の警備員室では警備員さんがのんびりとくつろいでおり、やはり警備員さんは関係なさそうだ。
「 まだ誰かいますか?」
と警備員さんに声をかけると、
「 もう誰もいないよ。」
との返答だった。
警備員さんには何も言わず急いで会社を出たが、一人暮らしだったために家に帰るのが怖く、コンビニで立ち読みをしばらくして、恐怖心を紛らわせてから帰宅した。
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