大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道269

2009-12-03 18:47:31 | E,霧の狐道
 俺はジタバタしながら、ナースステーションの前にある赤電話に行った。
そして、チャリンチャリンとお金を入れ、自宅に電話を掛ける。

“ トウルルルル、トウルルルル、トウルルルル・・・・。”

呼び出し音は鳴っているが、なかなか人が出ない。

「 遅いぞ、早く電話を取れっ!」

“ ガチャ。”

ようやく、受話器を取る音がした。

「 もしも~し、貴志で~す!」
「 あ、貴志、何よ?」

出てきたのは、ちょうど妹の沙織だった。

「 いつも言ってるだろ!」
「 何よ、貴志?」
「 だから、いつも言ってるだろォ~!
 貴志じゃない、お兄ちゃんと言え。
 俺は、兄貴だ、同級生じゃない。」
「 アハハ、貴志、それで何?」

あまりブツブツ言うと、頼みごとをする手前マズイかなとも思えたので、用件に入ることにした。





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