大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道271

2009-12-11 19:20:30 | E,霧の狐道
「 あ~、もう分かりました。
 沙織様、どうかお守りを持って来て下さい。」
「 お願いしますは?」
「 あ、お願いします。」
「 布袋にキツネがポイントね。」
「 ああ。」
「 分かったわ。」
「 じゃ、よろしく!」

“ ガチャ!”

 俺は急いで電話を切った。
これ以上話すと、沙織のヤツ、何を言い出すか分かったもんじゃない。
俺は妹に弱みを握られてしまった。
これはかなり高くつきそうだと思った。
 でも、これはこれで仕方が無い。
このままでは、この病院からタダでは帰れないから。
とにかく、由紀ちゃんのお守りの代わりをキープしなければ。
俺は取り敢えず、これで一安心とタカを括っていた。


 俺は病室で、今か今かと沙織の到着を待つ。
待っているうちに、山本爺がトイレなのかフラフラと出て行った。
田中爺は一向に帰って来ない。

“ おせぇ~なァ~~!”

一人取り残された俺はただひたすら沙織の到着を待つ。





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