日々の恐怖 10月24日 私の話(10)
土建屋の事務長との話です。
別の寺から法事を頼まれて行った時、たまたまその法事に参列していた土建屋の社長と仲良くなった。
きっかけは、土建屋の仏教に関する質問に俺の回答が気に入ってもらえたらしい。
その後何度か土建屋の近くに寄る事があり、社長にあいさつしていこうと立ち寄っても、忙しいのか社長は留守が多かった。
そこで代わりにこの会社ナンバー2である事務長が対応するのだが、何故か気に入ってもらえた。
この様な事が何回か重なるうちに、社長よりも事務長と話す機会が多くなり、
「 何かあったらよろしく。」
と事務長とも連絡先を交換した。
ある日の夜、事務長から連絡があり、会社の経営についての相談(実際は会社への愚痴)を受けていた、というか聞かされていた。
ある程度の常識的な範囲でのアドバイス(俺は土建屋じゃないから)をした後、事務長が不意に、
「 そう言えば話変わるけど・・・。」
と切り出してきた。
「 何でしょうか?」
「 ○○土建の社長って知ってるよね?」
「 この前お伺いした時にいらっしゃった方ですよね。
確か一人親方で、この前の工事を手伝ったお金を受け取りに来ていた・・・。」
「 あの人自殺したよ。」
「 えっ!そうなんですか、それは知りませんでした。」
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