日々の恐怖 2月13日 駐車場(4)
とはいえ、その話をするのも後出しみたいで笑われそうだったから、
「 お前飲み過ぎだよ。」
とか笑って誤魔化してたら、そのうち全員で見にいこうぜって話になった。
変なヤツの悪戯かも知らないし危険かも知れないから、武器持って行くかとか、包丁しかねぇよとか、包丁はマズいだろとか、くだらないやりとりをして、野郎5人素手でその駐車場に向かった。
それで、着いた矢先に買い出しに行ったヤツが、
「 あれ・・・・?
ここじゃ無い・・・。」
とか言い出した。
「 もっと古い駐車場で、もっとみすぼらしい場所だった。
奥に自販機があって、そこにマネキンが立っていたんだ。」
結局、飲み過ぎだとか、酔ってねーよとか、作り話乙とか話しながら戻り、明け方辺りまで飲んで寝て昼過ぎ頃解散した。
皆が帰った後、一人件の駐車場に向かったが、そこには何度も見たいつもの小綺麗な駐車場があるだけで自転車も砂利も無く、そもそもボロいとか以前に自販機自体どこにも無かった。
気になったので、その後何度も立ち寄ったが、以降は何ごともなく卒業し引っ越した。
時が経って忘れかけていたが、つい先日その時の買い出しに行ったヤツと飲む機会があり、駐車場の話が出たので思い出した話です。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ