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日々の恐怖 7月10日 昼寝(1)

2020-07-10 09:24:27 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 7月10日 昼寝(1)




 日曜の昼過ぎ、縁側に敷布団を敷いて2歳の息子を胸に乗せ昼寝をしていた。
しばらく経った時、急に胸に息子以外の重みが、

“ グッ!”

と、のしかかった。

“ 苦しいなあ。
娘(4歳)が乗って来たのかなあ・・・。
それにしては重いなあ・・・・。”

何故か意識が朦朧として体が動かない。
目を薄っすらと開けて見ると、息子が胸にしがみついて寝ているだけだった。

“ そういや娘は嫁と出掛けたよなあ。
何だろうなあ、これ・・・・・?”

と考えていると、

“ バン!”

と急に縁側のガラスを叩かれた。
 相変わらず体が動かないので横目でその方向を見ると、誰かがガラスにベッタリとくっついてこっちを見ていた。
ハッキリとはわからないが、近所に住むAさんというおばさんのようだった。
 Aさんは再びガラスを、

“ バン!”

と叩くと、今度は、

「 あんた!何してんの!」

と怒鳴った。
そして続けて、

「 そこをどきなさい!」
“バン!”
「 出て行きなさい!」
“バン!”

と何度か繰り返した時、息子が、

“ ビクン!”

とし、

「 うわあん!」

と泣いて起きた。
 その瞬間、頭が冴え体が軽くなった。
息子を抱えながら起き上がり、

“ パッ。”

とAさんの方を見た。
 しかし、さっきまでガラスにベッタリとくっついて怒鳴っていたはずのAさんの姿が無かった。
ほんの数秒だったので不思議に思い、ガラスを開け縁側から庭に出たが誰もいない。








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