日々の恐怖 7月13日 昼寝(2)
何か気持ち悪い体験したなあと、また縁側に戻ろうと何気なくガラスを見ると、手の平の跡がクッキリと残っていた。
“ やっぱり来てたよな・・・・!”
とモヤモヤしながら縁側に座っていると、嫁と娘が帰って来た。
嫁にたった今の出来事を話したが、
「 夢でも見てたんでしょ?」
と鼻で笑われてしまった。
その日の夕方、4人で夕飯を食べていると玄関のインターホンが鳴った。
Aさんだった。
町内会の集金に来たらしい。
俺は何となく怖くて、リビングから玄関でAさんと嫁が話すのを黙って聞いていた。
「 今日の昼間、一度来たんだけど誰もいなくて・・・・。」
「 え!そうなんですか?」
「 車があったから、ご主人いらっしゃるかと思って、インターホンを鳴らしたんだけど誰も出なくて帰ったんです。」
「 えっと・・・、ああ・・・、そうだったんですね。
すいませんでした。」
「 いえいえ、大丈夫ですよ。」
“ いやいや、誤魔化すなよ・・・・。”
と聞いていると、突然大きい声で、
「 そうそう、ご主人に言っておいて。
恐い顔の女の子が来てるわよって。」。
そう言うと、
「 おやすみなさい。」
とさっさと帰ってしまった。
まるで、俺に聞かせるかのような大きい声だった。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ