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日々の恐怖 4月18日 下流(2)

2021-04-18 20:28:35 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 4月18日 下流(2)



 友人は、

” 見つかる前に医者が到着してしまったか・・・・。
先輩に、いびられないといいけど・・・・・・。”

と思いながら、車一台通れるくらいの小さな橋をくぐって下流へいくと、草むらの中に欠損した足を見つけた。

「 すみませんねえ!」

医者の声に、

「 いえいえ、どうもありがとうございます!」

と言い、川からあがった。
 すると、医者がいない。

” 向こうと合流したのか・・・?”

と思い部位を持っていくと、医者はまだ着いてないとのことだった。
 友人はもしやと思い、死体の持ち物から免許を見せてもらった。
暗くてよく見えなかったが、眼鏡をかけた男だった。

” 似てるわ・・・・。”

 医者は明るくなってからようやく来たが、その後、家族などと連絡を取り、調べて行くうちに、自殺者が薬品販売の営業マンと言うことが分かった。
開発畑から営業に回され、厳しいノルマでノイローゼ気味だったらしい。
 遺族にこの体験を話すと、本人は医者志望だったようで、

「 白衣の方が良かったな~。」

と口癖の様に言っていたそうだ。
 友人は、

「 医者と見間違えた白衣の男は、白衣を着ていたかった自殺者だったのかもなぁ・・・・。」

と、俺に向かって言った。








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