日々の恐怖 4月21日 電話ボックス(1)
神奈川のある渓谷に友人宅があったんだけど、彼の家はバス終着場の真後ろにあって、
トイレからバス停とその横にある電話ボックスが見える位置にあった。
対面には雑貨屋がある程度の本当に民家の少ない場所で、今では水銀灯で林道も照らされているけど、当時は夏場にキャンプに訪れる人がいるくらいのほかには、週末にラリーに興じる連中がちょこっと訪れるくらいの本当に寂しいところだった。
特に夜の暗さは半端じゃなく、また林道も物凄く狭いうえに以前はガードレールもなく、車の事故が相次ぐところでもあった。
それで、公衆電話のボックスは友人宅トイレのまん前に位置し、そのトイレの窓から5m程度の近さで、小用を足そうと前を向くと、話中の人がバッチリ見える位置関係だった。
でも、元々人気の少ない場所でもあり、そうそう電話を使う人もいないので、何時も気にすることなく窓を開けていたそうだ。
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