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日々の恐怖 8月9日  夜が来たから(5)

2020-08-09 18:57:44 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 8月9日  夜が来たから(5)




 冷蔵庫から飲み物を出してると、携帯が鳴ったんです。
出てみると地元にいる母でした。

「 あ、お母さん、どしたの、こんな時間に・・・・?」

実家は夜が早くて、ふつうはもう寝てる時間なんです。
 母はいつもののんびりした声で、

「 お父さんの具合が悪くってねえ・・・・。」 
「 え?どういうこと・・・・?」

変なことを言うなあと思いました。
私の父は4年前に病気で亡くなってて、母は、実家で兄の家族と同居してるんです。

「 お父さんて、どういうこと・・?」

そしたら少し沈黙があって、

「 そっちは停電してないのかい?」

って。

「 何言ってるのよお母さん、私のとことそっち、すごく離れてるじゃない。
お母さんのほう、停電なの?」 
「 そうかい、停電じゃないのかい・・・。
じゃあ、夜が来るよ。」

そこで電話は切れました。







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