大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 4月8日 足

2017-04-08 18:23:05 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月8日 足




 去年の冬の夜、コンビニにタバコ買いに行ったら、誰も入ってきてないのに来店のチャイムが鳴った。
ふと見ると半透明の足だけが扉を開けず、すり抜けてトコトコと歩いてきて、ホットドリンクの棚の前でスッと消えた。
 店員さんに、

「 い、今の見た?」

って聞いたら、

「 久しぶりですわ、お客さんラッキーですよ。」

って返事があった。

「 なんか幸運なことでも起きるのですか?」

と聞いたら、

「 いえ、いつもは入ってこないんですよ。
店の前を通り過ぎるだけなんです。」

とのことだった。
 何がラッキーなんだ?
ビビりな俺は、あの足が家までついてくるんじゃないかと、何度も振り返りながら帰った。
場所は京都のサークルKです。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月7日 ドッペルゲンガー(2)

2017-04-07 20:00:12 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 4月7日 ドッペルゲンガー(2)





 その後、しばらくして法事で田舎に帰ったんだが、その従兄に調子を聞くと、

「 居眠りはしないんだが・・・。」

と言いながら話してくれたのが、自分を轢いた話だった。
 車を運転しているとき、目の前に自分が突然現れて轢いてしまった。
急いで車を降りて痕跡を探したのだが何も無し。

“ 幻覚でもみたのか?”

と思っていたが、家の中に入ると自分が立っているという幻覚を見たり、自分から電話がかかってきたりということを繰返したので、病院にいったら再発していた。
法事の後、二度目の手術をする予定、という話だった。
 余談だが、この時期従兄は驚くほど太っていて、後に脳の腫瘍がホルモンをつかさどる部分を圧迫していて、その影響で太っていたことが発覚した。
腫瘍を取り去った後、食事療法等しなくても痩せていった。
 腫瘍だけではなく、何らかの脳のエラーや異常でこういうことは起きるんだろう。
以前あった事件の犯人も、事故で頭を強く打った後に性格が豹変した、という話もある。
大量殺人を行った人の脳に異常が見られる確率が高いという話もある。
視覚・聴覚・意識・ホルモンだけじゃなく、性格や性欲まで脳でつくられているんだから。
脳ってのは不思議なものだと思う。












童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月6日 ドッペルゲンガー(1)

2017-04-06 18:53:42 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月6日 ドッペルゲンガー(1)




 ドッペルゲンガーの正体についてこんな話がある。
誰でも真っ暗な中でも見えなくても、自分の手足が今どこにあるかは把握出来る。
ドッペルゲンガーに会ったと言った後に亡くなった人達を解剖すると、脳に腫瘍が出来ている。
つまり、自分の体の位置を把握する機能を司る部分にそれがある。
 まず脳の体の位置把握を司る部分に腫瘍が出来る。
そして自分の体の位置把握能力に障害が起きる。
それが原因で自分の実在する位置とは異なる場所に自分がいると感じる。
 これが自分以外に自分が存在する自分のドッペルゲンガーと会った体験の正体だ。
そして脳の機能に障害を及ぼす程に大きくなった腫瘍が原因で死に至る。
これが、自分のドッペルゲンガーに会ってしまうと死ぬ現象の正体だ。
これがどこまで検証された説なのかはわからない。
 これに近い話がある。
うちの従兄は脳に腫瘍があって今まで二度手術をしている。
最初は、車の運転中に居眠り運転で自損事故を起こした。
 その前から仕事中に居眠りをすることもあり、疲れがたまった居眠り運転と処理されたんだが、二度目に同じ事故を起こして運びこまれた病院で、二度はおかしいということで検査をして腫瘍が発覚した。
ただ、場所が悪くて完全に取りきるのは難しく再発の可能性が高い、と言われた。












童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しづめばこ 4月5日 P487

2017-04-05 19:54:21 | C,しづめばこ


 しづめばこ 4月5日 P487  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月4日 山

2017-04-04 19:10:18 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月4日 山




 親父に聞いた話です。
当時の親父の趣味は渓流釣りで、たまたま山中で知り合ったマタギを生業にしていたAさんに教えて頂いたそうです。
 Aさんは当時、群馬県の利根川を7日~20日位かけて野宿をしながら鮎やマスなどを、下流から上流へと釣りのぼり、民宿などへ卸していたそうです。
そんなAさんが何度か経験したお話です。
 いつものようにポイントを変える為に山中を歩いていると、静かだった山中が急にザワザワと騒がしくなり、四方八方から視線を感じる時があるそうです。
そして、そういう時は必ず決まった行動をしたようです。
 釣った川魚を腐敗防止の為にさばきながらザックに入れていたそうですが、さばきに使用するナイフをザックの口部分に刃が真上に向くように固定して、歩き続けたそうです。
そうすると不思議と騒ぎが収まったのだそうです。
 Aさんとは一度だけ会ったことがあります。
私が小学生の時、親父に初めて釣りに連れていってもらった時です。
 Aさんの容姿は全く記憶にないのですが、釣り上げたその場で焼いてくれた鮎の塩焼きの味だけはハッキリと覚えています。
とっても美味しい鮎でした。

 私も経験しています。
仕事でよく山に入るのですが、今でもよく経験します。
私の場合は普段ナタを腰の後ろに吊るしているのですが、それが横に水平になるように付け替えます。
これは地元の元営林署勤めの老爺から聞いて実践している、おまじないみたいなものです。












童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月3日 覗く人

2017-04-03 19:19:20 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月3日 覗く人




 友人から聞いた話です。
北海道の大学に進学した彼は、友人たちと頻繁にファミレスに行ったという。
ドリンクバーとポテトフライをお供に、時には朝まで語り明かす。
誰にでも経験があるありふれた話だ。
 ある日いつものように会話を楽しんでいると、窓の外から店内を覗く人影に気付く。
若い女だ。
店内に知人でも探しているのか。
 初めは気にもとめなかったが、10分も動かないとあれば、やはり気になってくる。
隣の友人の肩を叩くと、

「 うん、気付いてる。」
「 変だよな?」
「 あんま、見ない方がよくないか?」

視界の端に捉えながらやりとりする。
 視界の端でちら見していると、女が動いた。
真横に、滑るように。
 普通人間が動く際には、必ず肩が動く。
歩くにせよ、向きを変えるにせよ。
女が見えなくなったあとは、その話で盛り上がった。
そして結論として、あれはこの世のモノではなかった、と言うことになった。
 先日、友人と食事をした。
地元、鹿児島のファミレスだった。
 食事中、やたら僕の背後に目線が流れる。
そこで前述の話を聞かせてくれた。
そして、

「 今また、あの女がいる。」

と言った。
 やはり以前と同じように、窓の外から店内を覗いているようだ。
僕はふり向けなかった。
 そうしているうちに、彼はほっとした様に、

「 いなくなった。」

と言った。
 北海道で見てから10年以上経過しているが、以前と全く変わった様子はなかったそうだ。
容姿も、店内を眺めるたたずまいも、そしてあの、全く肩が上下しない人間離れした動き方も同じだった。
 店から出る際、外から女がいた窓の付近を確認してみたが、植え込みになっていて、人が立てる状態ではなかった。
 そして窓の高さも僕の頭より上、窓から姿が見えるには少なくとも身長250cmは必要だ。
やはり、そこには人ならぬモノがいたのだろうか。
幸い友人には前回も今回も、その後特に変わったことはないという。
 そして僕は厭な事を思いついた。
女は、ああやって色々なファミレスを覗いて回っているのではないか。
北海道から段々と南下してゆき、やがて九州に辿り着いたのではないか。
友人は偶々2度も遭遇してしまっただけ、だと思いたいのだが、ムシが良すぎるだろうか。
 そして、女の今後も気になっている。
鹿児島は本土のどん詰まりだ。
これから沖縄に渡るのだろうか。
それとも折り返して、また北へと向かうのだろうか。













童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月2日 昼下がり

2017-04-02 18:53:05 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月2日 昼下がり




 道路工事の現場は、作業車の他は何も通らないような山奥だった。
ある日の昼下がり、乗用車が一台、現場に侵入してきた。

「 出て行け!」

という注意も聞こえないようで、車は現場の中で止まった。
 運転席から降りた男は、トランクから大きな麻袋を担ぎ出してきた。
麻袋からは女性の腕が突き出していた。
 その異様な光景に、誰もが近寄るのを躊躇した。
男は地面に掘られていた穴の中に袋を投げ込み、土をかけて埋めてしまった。
袋が見えなくなると、男はほっと息をつき、車に乗り込んで帰っていった。
 誰かが、

「 警察を呼べ!」

と叫んでいた。
 白昼の大胆な死体遺棄犯は、目撃者が多いせいもあってすぐに捕まった。
警察の取り調べで犯人が語ったところによると、殺した女性を埋めようと山に入ったが、出くわした工事現場に誰もおらず、ちょうどいい穴まであったので、これ幸いと埋めてきたということだった。
 なぜか犯人には、殺した女性以外の存在は見えていなかった。
当時、現場には作業員が十人以上いたと聞かされても、信用しなかったという。
その全員が目撃者だと聞いたときは、唖然としていたそうである。












童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 4月1日 運動会(2)

2017-04-01 23:06:54 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 4月1日 運動会(2)




 親戚の人達も行事があるなんて心当たりもなかったから首をひねっていたら、普段無口な婆ちゃんがポツリポツリ語り出した

「 昔あの辺に汽車が通っちょってね。
そん頃にそがぁし人が乗って走った時があったんよ。
人も一杯で窓から乗り出したり色んな所に掴まったんまま乗っちょったから、坂道ん時に汽車が登れんごなってね。
途中で逆に下り始めて、そん時人が騒いで飛び降りたり押されて落ちたりして人が何人か死んだのよ。」

 婆ちゃんがいうには戦前母ちゃんが声を聞いた場所のあたりで、昔汽車が乗客の重さに耐えられなくて山を逆走して、その時パニックになった乗客の何人かが落ちて亡くなったらしい。
母ちゃんが聞いたのは多分その時パニックになった乗客の声だろうって。
 婆ちゃんはそれ以上何も言わなかったし、そこにいた親戚もちょっと引いちゃってその日はお開きになった。
 親はみんな家に帰って、俺は従妹たちと次の日みんなで遊ぶ予定だったから、婆ちゃんちに泊まった。
それで布団に入って少ししたら玄関に、

「 ドンドンッ!」

て何かぶつかる音がして、俺は、

“ 何だろう?
誰か忘れ物でもしたのかな?”

て思って玄関に向かおうとしたら、婆ちゃんが、

「 猪がきたねぇ・・・。
噛まれたら危ないから、絶対に出たらいかんよ。
そのうちどこか行くから、出たらいかんよ。」

て見に行くのも止められた。
 次の日起きてから見に行ったら、ススみたいな黒い物が玄関に沢山ついていた。

“ 猪が鼻とか前足で押して砂がついただけなんだろう。”

って思うようにしたけど、それ母ちゃんが帰るときに通った玄関にだけしかついてなくて、他の場所には一切ついてなかった。
 婆ちゃんはもういないし、今となっては本当なのかどうかわからないんだけど、あの時外に出てたら何が起こってたんだろうって今でも思う。
場所は鹿児島の隼人町って所の話です。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------