いよいよ聖金曜日の本番当日がやってきた。
天気は快晴で、絶好の祭り日和だ。
朝、中心街のヴィットリオ・エマヌエーレ通りに来てみると、さわやかな朝日が街路に差し込み、街全体が行進のスタートを待ち焦がれているようだ。かなり早い時間に通りに来たのは、行進をできるだけ正面からカメラに捉えようとロケーションを探すため。
そんな中、父と子の二人連れが大きな風船の束を抱えて歩いていた。これはたぶん商売用の風船で、出店の開店準備に来ていたのかも。だって、買ったにしては多すぎるもんね。
そうしているうちに街頭には観客が続々と集まってきた。午後2時、いよいよ「聖キリストの行進」のスタートだ。先頭には鼓笛隊。女性を中心にした太鼓のリズムがはじける。
その後ろには地方の旗を掲げる子供たちなどの列が続く。
そしていよいよミステリ(神輿)の登場。左の聖母マリアに別れを告げるキリストのシーンだ。こうしたミステリが20台、若者たちに担がれて街を練り歩く。いやいや担ぎ手は若者たちだけじゃなく、結構な年配のおじさんたちも多い。
そうした群像の合間合間に人々の行列が続く。巫女さんのような白装束の集団もあった。
キリストは、彼を裏切ったユダに導かれたユダヤ人の衛兵によって逮捕され、ローマ兵に引き渡される。早くも一つのクライマックスが到来した。
キリストは鎖でつながれてゴルゴダの丘に連れて行かれる。果たしてキリストの運命は?