ローマ中心部に 高く広く大きな階段がある
その空間に しばしば人は集う
中段まで上って腰を下ろし 歓談し合う若者たち
ザックを背中から降ろして 一休みする旅行者のグループ
落ち着いた雰囲気を漂わせて 階段を踏みしめるカップル
どこか優雅な目的地に向かうのか 紳士らの乗った馬車が
しゃんしゃんと鈴を鳴らしながら 通り過ぎて行く
様々な人たちが ここに集い
思い思いの印象を 心に刻んで
また新たな場所へと 旅立つ
悠久の歴史を重ねた ローマという場所ならではの
大らかに開かれた 空間の持つ魔力が
あらゆる世代を引き寄せる オーラとなって
そこに漂っているから なのだろうか