島の高台で一休みしながら これからの行動予定を考えていると
海の色にポッと 赤味がさしていることに気づいた
ああ もう夕方か
立ち上がり 西の空を見ると
どんどん太陽が沈み始め あっという間に山陰に消えていった
だが夕焼けはある意味 日没からが本番だ
空の色彩は 上空から青 紫 橙 赤と
いくつものグラデーションを 伴って変化し
そこにアクセントを つけるかのように
綿雲が ぽっかりと浮かぶ
中央にくっきりと 雄姿を見せるのは
隣の島 イスキア島の山並み
海岸の街並みは まだ明かりが
ちらほらと 灯るだけ
昼と夜との境い目の この瞬間だけに展開する
光のショーを まるで独占したような
貴重な体験の喜びが 湧きあがった時だった