新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 パリ編⑯ サントシャペルは「豪華絢爛な空箱 !?」

2024-08-23 | 心ふるえる風景 パリ編

「サントシャペル」に入った

 教会の狭い階段を上って 上部の礼拝堂に入った途端

まぶしく青い光の照射に 体全体が包み込まれてしまった

 

15ある大窓がすべて ステンドグラスによって装飾され

それも7mの高さまで 大きく広がる

そこにはアダムとイヴの物語など 創世期からキリスト復活まで

実に1134の聖書の物語が きめ細かに描かれている

 

今はまさに ステンドグラスの教会として有名だが

元々は全く違った目的で 建造された教会だった

 

ルイ14世によって この教会が完成したのは1248年

コンスタンティノープルの皇帝から購入した 茨の十字架など

キリストの聖遺物22点を 大事に収めるための場所だった

キリスト教社会では キリストの聖遺物を収めた教会ほど

高い位となって 信仰を集めることになる 

 

ただ教会にとっての 大きな災難が起きてしまった

フランス革命 大事な聖遺物の多くは焼け出され

わずかに残った冠など2点は ノートルダム大聖堂へと移された

つまり「聖遺物の教会」のはずが 「空っぽの聖遺物箱」に変身してしまった

 今も一番奥の中央部分に 小さく囲まれた区画が残っているが

 そこが聖遺物の収められているはずの 主祭壇だった

 

 今でこそステンドグラスの教会として 人気を集めてはいるものの

 教会としての地位は 低いままになっている

 なかには「あれは空箱」 と言い放つ信者もいるという

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする