新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ベルガモ⑥ ビアンコ教会に残るロレンツォ・ロットの素晴らしいフレスコ絵画に見入る

2018-05-22 | イタリア・ベルガモ

 どんどん急な坂道を下って行く。

 前方に1つの教会が見つかった。あれが確かビアンコ教会。正式名はサン・ミケーレ・アル・ポッリオ・ビアンコ教会という長い名前だ。 ここにはロレンツォ・ロットの描いたフレスコ画があるということで、予定していた場所。
 
 ロレンツォ・ロットはヴェネツィア出身の画家だが、1513年にベルガモに招かれたのを機にここに居を移し、13年間滞在し、人生の充実期にここで腕を振るった。

 住まいは、この教会前の小広場にあったという。

 教会に入った。外観ではわからなかったが、中は予想以上に凄かった。内壁の大部分がフレスコ画で埋め尽くされている。

 まず、入るとすぐ聖母子像が出迎えてくれる。

 内部正面には多彩な絵の残る主祭壇。

 その中でも左礼拝堂はレレンツォ。ロットの手掛けた聖マリアの礼拝堂だ。

 受胎告知の絵が左壁を飾る。

 右壁には三王礼拝。

 上部クーポラを見上げると、父なる神が。

 そんなロットの作品群だけでなく、室内至るところにフレスコ画が見事に描かれている。

 これは聖母子像。

 聖マリアが死せるキリストを抱く「ピエタ」。

 後方、入口側の壁は、だいぶフレスコ画がはがれてしまっているが、それでも面白い絵が見られる。

 こちらは諸聖人の群像か。

 また、最後の審判も。そこで罪を課せられた人たちだろうか。鎖につながれている。

 この絵には鮮やかな衣服の赤がしっかり残されている。

 何か良いことがあったんだろうか、聖人がほほえんでいた。

 とにかく多彩。バラエティに富んだ人物像が真剣に、ときにはユーモラスに、生き生きとした表情で見る者に語り掛けてくるかのようだった。
 
 思いもかけずに素晴らしいフレスコ画の教会に出会えて、ちょっと幸せな気分になった。




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