マントヴァはイタリア北部に広がるロンバルディア平野の東端に位置する小都市だ。
内陸の街だが、三方を湖に囲まれるという特異な地形から、まるで海辺の街のように水面から風が涼やかに吹きすぎる。
歴史的には15~16世紀、ゴンザーガ家の支配する公国として発展し、女王であり、芸術のミューズであったイザベラ・デステによって芸術の花開く華やかな時代を切り開いた。
そんなマントヴァの街が、東洋からの旅人に何を語り掛けるのか、聞き耳をたてながら歩いてみることにする。
宿はすぐに見つかった。チェックイン後すぐに近くにあったサンタンドレア教会に入った。1472年に建設が開始された典型的なルネサンス建築。
鐘楼はゴシック様式。
正面から見ると建物全体は見えず、まあ、普通の教会かな、といった気持ちで中に入った。
ところが、中は思いがけないほどの規模の大きさで、びっくり。まるで体育館かと思うほどの大きさだ。
一身廊で両側の壁全体が、あらゆる絵画装飾で埋め尽くされている。
天井も同様だ。
大小さまざまな礼拝堂が両側面に続き、それぞれに絵画が配置されている。
礼拝堂を区切る柱にも隙間なくレリーフが施されている。
天井部分の大きなアーチは波打つようにうねり、波立ち、幾重もの華麗な曲線を描いている。
一番手前の左側礼拝堂は、ゴンザーガ家の宮廷画家であったアンドレア・マンテーニャの墓となっており、彼のブロンズ像が飾られてあった。
クーポラに仰視法で描かれた絵は、見ているうちに自らも天に引き上げられてゆくかのような感覚を味わってしまう。
インマコラータ礼拝堂には金色の聖母像があった。
堂内奥に丸くガードされた場所があった。ここには「十字架に架けられた時キリストの血で染まった土」が保管されているという。
とにかく大規模な教会にいきなり出会って、びっくりだった。
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