新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

パリ・モンマルトル紀行⑫ モンマルトル墓地で出会った人たち・中 モロー、スタンダール、ダリダ・・・

2017-02-11 | パリ・モンマルトル
 案内図によると、ニジンスキーの近くにギュスタブ・モローの墓があるはずなのだが、なかなか見つからない。
 たまたま墓参りに来ていた地元の人に尋ねて、やっと見つけることが出来た。

 墓石に名前が刻まれているだけで、何の特徴もない墓。

 象徴派の代表的な画家だけに、例えばサロメのレリーフが添えられていたりするのかと思っていたが、全く地味な墓だった。(後方に映っている人たちに墓の場所を教えてもらった。有難うございました)

 それに対して、すぐ近くにはこんなユニークな母子像があった。抽象作品だが、母子の愛情がにじみ出るような雰囲気を醸し出していた。

 スタンダールの墓。「アンリ・ベイル  ミラノ人  書いた  愛した  生きた」
 墓碑銘にはこんな文字が記されている。

 「赤と黒」「パルムの僧院」などの作者。「スタンダール」は本名ではなかったことを初めて知った。

 ダリダの墓は入り口近くまで戻って東側の石段を上った所にあった。

 ドレスを身にまとった黄金の全身像。まるで舞台に立って高らかに歌いだそうとするかのような堂々とした姿だ。

 イタリアからの移民の子としてエジプトで生まれ育ち、ミス・エジプトにもなったことがある美貌の持ち主。
 フランスで最初にディスコミュージックをはやらせ、ダイヤモンドディスクを獲得。フランス歌謡史上最も売れた歌手ともいわれる。
 モンマルトル博物館近くに住み、胸像の置かれた広場は「ダリダ広場」と名付けられている。
 それにふさわしい格調のある墓だった。
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パリ・モンマルトル紀行⑪ モンマルトル墓地で出会った人たち上 エミール・ゾラ、ハイネ、ニジンスキー・・・

2017-02-07 | パリ・モンマルトル

 晴れた日、モンマルトル墓地に出かけた。墓地はムーラン・ルージュ西側の坂道を上った所にある。広さは11ha。とにかく広いので、門を入るとすぐにある墓全体の案内図で、目的の墓の位置を確認してから行動するのがベターだ。

 入り口近く、すぐにわかるのはエミ-ル・ゾラの墓。「居酒屋」「ナナ」などの自然主義文学の旗手だった作家。左手に小高くなった土地があり、そこに胸像が飾られた規模の大きな墓だ。

 ゾラは、この墓からほんの数百メートルの所に住んでいた。斜め向かいにアトリエを持っていたバジールら印象派の画家たちと交流があった。そんな中で、当初認められなかったマネの作品を擁護する批評を書いたことでも知られている。

 墓地はネコの天国らしく、あちこちで自由に歩き回るネコたちに出会った。

 ゾラの少し北側には作曲家ベルリオーズの墓。幻想交響曲で知られるロマン派の作曲家だ。

 隣にこんな姿の像も。花を携えて、今にも語り掛けそうな女性像。

 さらにハイネの墓も。

 ドイツの詩人、作家だが、30代にパリへ移住してここに埋葬されている。白いすっきりした墓だ。大理石の顔は、デンマークに彫刻家ルイス・ハッセルリーフ作。ハプスブルク家の王妃エリザベートが制作を依頼したのだという。

 慕う人が多いようで、この日も花束が置かれていた。

 北に進む道を歩いてゆくと、足を組んで考え事をしているような格好の像がある。天才といわれたバレエダンサー、振付師のヴァーツラフ・ニジンスキー。
 驚異的な腕力で空中に静止しているかのような跳躍や演技力で観客を魅了したが、若くして精神に異常をきたし、活躍したのは8年間だけだった。

 この姿は、ペトルーシュカの舞台衣装だそうだ。
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パリ・モンマルトル紀行⑩ クリシー大通り界隈をぶらりと散策

2017-02-04 | パリ・モンマルトル

 朝、うっすらと三日月が浮かぶ時間に目が覚めた。今日も散策日和。


 クリシー大通りの交差点で信号待ちをしていた少女たち。おそろいのディズニーシャツが似合っていた。

 マネたちの通ったカフェを探してちょっと違った道に迷い込んだら、ビルの壁面に大きなイラストが。


 神父さんの後ろ姿?

 その近くには女性の横顔とチューリップ。

 さらに、別の家の軒先では大工さんが仕事中。なんか楽しくなる通りだった。


 ホテル近くの街頭には大勢の人だかり。よく見たら。ここは何かの学校のようだった。


 洋菓子屋さんのショーウインドウにはおいしそうなケーキがずらり。

 別の店ではマカロンの勢ぞろい。

 そんな界隈を颯爽と通り抜ける女性のカッコよさが目を引いた。

 その店で一杯カフェをして、一休み。

 その後、レオン・ド・ブリュッセルというムール貝の店に行って夕食。パリに来たときはほぼ必ずこの店でムール貝を食べるのが私の習慣になっている。
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