新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ジェノヴァ最大の繁華街ガリバルディ通りと幻の絶景

2017-08-12 | イタリア・ジェノヴァ

ドゥオモを出てフェラーリ広場に到着した。華やかな建物が広場を取り囲む。

 多くの観光客が集まってにぎやかだ。記念写真に興ずるグループも。

 ドゥカーレ宮殿へ。その壁面にモディリアニの看板を見つけた。彼の絵画展をやっているようだ。

 中の回廊に入ってみると、モディリアニの看板の横にはアンリ・カルティエ・ブレッソン展のポスターもあった。どちらも私の好きな作家。大いに心が揺れたが、これを見ていたらフェリー港への時間が無くなってしまうかも。後ろ髪をひかれる思いで宮殿を後にした。
 というのは、前回のジェノヴァ訪問の時に行きそこなった高台からの眺望を予定していたから。

 ガリバルディ通りを歩く。ここはジェノヴァ随一のメインストリートだ。共和国時代の栄華を偲ばせる貴族の館が建ち並び「黄金の通り」とも呼ばれている。

 赤色に塗られた「赤の宮殿」。

 白が際立つ「白の宮殿」。いずれも今は美術館になっている。こうした格調高い建物がずらりと建ち並んでいる。

 一歩横の通りに入ると犬連れの散歩などの庶民的な小路もあちこちにあった。

 メリディアナ通りの建物には巨人の彫像が。前日に見たミラノのオメノーニの家を思い出した。

 すぐに急坂がある。このあたりから丘の上に昇るケーブルカーがあるはず。

 ラルゴゼッカという場所からケーブルカー(フニコラーレ)に乗る。これも地下鉄の一日券が共通に使える。高台のリーギまで一気に上り詰め、65万都市の絶景を堪能しようという心づもりだ。

 リーギに到着。「さあ、絶景を」と下界を眺めようとしたが、見えない・・・・
 生い茂った木々が緑の葉を一杯に茂らせていて、下界は所どころが垣間見えるだけ。

 意気消沈してケーブルカーを下った。

 そこで、欲求不満解消のために9年前の写真を少々。というのは、前回は高台には上らなかったけれど、「赤の宮殿」に入った時、係員が屋上に案内してくれ、そこからの眺めを楽しんだことがあった。その時の写真だ。

 目の前に見えるのがヴェッキオ港。ジェノヴァは昔から現在までイタリア最大の港であり続けている。

 1992年コロンブスのアメリカ大陸到達から500年の記念事業として港の再開発が行われ、レンゾ・ピアノによって新しく生まれ変わっている。

 それだけに、高台から全体を見渡したかったんだけどね・・・・。
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ジェノヴァのドゥオモで9年前の氷雨を思い出した

2017-08-08 | イタリア・ジェノヴァ

 翌朝、ミラノ中央駅からジェノヴァに向かった。ミラノ中央駅はすべてのホームの線路がここで終点となる終着駅となっていて、丸い大きなアーケードで覆われたホームが近代的。

 そこからユーロスターで約1時間半。ジェノヴァ・プリンチペ駅には昼前に到着した。こちらの駅も改修されたようで、構内にレストランもある新しい形になっていた。

 この日の予定は、最初に今晩乗船予定のフェリーターミナルでチェックインし、それから市内見物。夜は船内泊になる。

 駅からフェリー港へは地下鉄で1駅先のディネブロ駅に行き、そこから徒歩というコース。フェリーターミナルの大きな建物が割と早く見つかったので、迷わずに到着できた。ネットで確保していた予約券を提出してチケットと引き換えて一安心。夜の出発まで時間はたっぷりあるので市内散策に繰り出した。

 地下鉄は1日券を買っておいたので乗り放題。最初に旧市街中心地のフェラーリ駅まで急行することにした。
 だが、車内で地図を見ていて途中にサンジョルジョ駅というのがあることに気づいた。多分壁面装飾の美しいサンジョルジョ宮殿がそこにあるに違いない、と思い途中下車。

 予想通り、地下鉄駅ホームを出ると正面に美しい外壁を誇る宮殿がそびえていた。さて、次は地下鉄に乗りなおすか。でも街頭掲示板の地図を見ると中心部はここからも近そう。


 歩き出すと、賑やかな通りの奥に高い塔が見えた。あれはサン・ロレンツォ教会かな?

 この教会は9年前の12月に訪れたことがあった。だが、着いた時にはもう夜。しかも冷たい小雨が降っていた。


 心細い思いをしながら暗い夜景を撮影したことがあった。

 氷雨に濡れた教会前広場の石畳が、鈍く光を反射させていたことを,妙に印象深く覚えている。

 打って変わって今日は明るい午後。晴れ晴れとした気持ちで教会の前に立った。黒と白の大理石を使った正面は、一見イスラム風な外見を持つゴシック様式だ。13世紀の3つの扉口が開いている。

 入り口のライオンは、あふれるほどに見かけたヴェネツィアのどのライオンよりも貫禄十分。


 内部も想像以上に豪華なことに驚いた。

 ヴェネツィアなどと地中海交易の覇権を争った都市のドゥオモならではの重厚さを備えている。

 修復中だったが、足場の鉄骨はそれほど邪魔にならないように組んであった。


 白と黒の大理石の組み合わせは独特だ。

 バラ窓。聖母子が光に包まれているようで、まぶしく見える。

 こちらのステンドグラスは聖母被昇天。

 祈りの祭壇。この教会には洗礼者ヨハネの棺があるとのことだが、この祭壇がそうなのかも。

 こちらのフレスコ画は「最後の晩餐」だろう。きれいに保存されていた。


 1118年に造られた歴史的な教会が大切に維持され続けている。
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ミラノ大聖堂が夕陽に染まり、壁面が白からオレンジに変化する

2017-08-04 | イタリア・ミラノ

ミラノ大聖堂の内部見学を終えて外に出ると、ちょうど太陽が夕日に変わってくる時刻になっていた。

 白いファザードが次第にオレンジ色に染まってゆく。

 その速度は決して速くはないが、徐々に変化する模様は見ていて飽きることがない。

 ドゥオモを正面にみる場所に移動した。もう地面には暗い影が落ちてきた。

 ちょっと後退すると、広場にライオン像があったので、それを入れて1枚。

 上部の尖塔がすっきりと心地よい。やはりこの大聖堂は中を見るより外の姿を眺めるのが最良の鑑賞法かもしれない。


 だいぶ周囲の影が濃くなってきた。これでも現地時間の午後8時ころ。旅行初日だし、鉄道駅で翌日の切符を買う必要があったので、日没まで待てずに引き返すことにした。

 地下鉄で中央駅について外に出ると、駅のファザードがピンクに染まっていた。

 ただ、ドゥオモ周辺の夕景夜景は素晴らしいので、以前訪れた時のものを何枚か。


 ヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガレリアに照明が灯ったころ。

 内部はこのように豪華な装いになる。

 
 ドゥオモのライトアップ。右奥に黄金の女神像が見える。

 大聖堂と夜空の、白と青との色彩の対照が目にも鮮やかだ。こんな夜景が毎晩展開される。
 そんなわけでミラノのあわただしい1日はあっという間に過ぎた。さあ、明日はジェノヴァに向けて出発だ。

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ミラノ大聖堂に入る。「巨大な空き箱」?!

2017-08-01 | イタリア・ミラノ

 ミラノ大聖堂の中に入った。52本の太い石柱によって支えられている堂内。その圧倒的な規模の大きさにうなってしまう。

 中心部奥に主祭壇。

 天井部には十字架にかけられたキリスト像が掲げられている。

 観光客に交じって、尼僧の姿も見られた。

 ろうそくを捧げて祈る女性。敬虔な雰囲気が支配する時間。

 ステンドグラスも各所に。

 そのサイズも相当に大きい。

 聖人バルトロメオ像が建っている。

 こんな聖母像も。でも、多くは博物館に収納されていて、像はあまり目立たない。

 こちらは聖書の場面を描いたレリーフがいくつか。それにしても、彫像はちらほら。

 とにかく道内の奥が霞んで見えるほどの大きさにビックリするとともに、一方で外部の入念な仕上げに比べて、その内部は{巨大な空き箱」といった印象も同時に感じてしまった。

 他の都市では、規模は小さいながらも繊細な彫刻や装飾細工が丹念に施されている教会を幾つも見てきた。
 確かに博物館などに移された彫像もあることは確かだが、ミラノなど歴史的に見ても大都市の司教座大聖堂は内部の飾り立てというより、どれだけ多くの信者を一堂に会することが出来る場所であるか、という目的が優先されたのだろうという気がする。

 そんな角度から見ると、一層その印象が強まる。

 最後に、ちょっとドラマチックモードで見た天井の姿を!
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