新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

中世の城跡から市街と地中海を展望する

2017-11-10 | ボーザ・サルディーニャ

 マラスピーナ城址に登った。

 午前10時、ようやく管理人が到着し、城への門を開けてくれた。一緒に待っていたイタリア人家族とともに入城。

 中に入ってもまだ坂道が続く。もうひと踏ん張り。

 中世に建設されたこの城は、今や完全に廃墟状態だ。

 残された城壁が、今は簡易遊歩道となっているようだ。階段を上る。

 細い石の道を歩いてゆく。

 見えた!ボーザの村が眼下に広がっている。

 テーモ川の大きなカーブ。水はあくまでも青い。そして住宅群の先に海が覗く。

 あの海は地中海。果てしなく広がった先にはイベリア半島やアフリカ大陸があるはずだ。地中海沿いの町はボーザマリーナという町。岬に建つのはアラゴネーゼの塔。

 初夏の陽光に照らされて、のどかで心和む田園風景が目の前に展開されている。

 こんな異国の見知らぬ村の景色なのに、なぜか懐かしく感じる。ここで思いっきり深呼吸を1つ。

 昔のカラフルな工場群も美しい。気持ちはルンルン。

 工場群とテーモ川も丘の上からの眺めはまた一種違った風景に感じる。

 城壁を一周して城内に残された教会に入った。

 屋根には十字架が掲げられている。

 ノストラ・シニョーラ・レンニョス・アルトス教会という、まるで呪文のような長い名前。内部には聖人たちを描いた壁画が壁全体に描かれていた。

 この部分には女性の聖人たちが並ぶ。

 中世の絵のようだが、結構豊かな表情が表れている。

 ところどころはがれてしまっていたが、見所十分の絵画群だった。

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マラスピーナ城跡を目指して山登り

2017-11-06 | ボーザ・サルディーニャ

 さあ、これから村の後方にある丘の上、マラスピーナ城を目指して登り出す。

 上り坂にはトンネルが幾つもある。坂道は急だが、階段状に並ぶ住宅群を見ながらゆっくりと昇って行く。

 途中で見つけた可愛らしい三輪車。今も現役だ。

 外壁を花が覆う洒落た家にも遭遇した。

 戸口で珍しそうに私を見ていたワン公。やっぱり犬にとっても東洋人は珍しいのかも。

 かなり昇ってきた。眼下には緑の草原が広がる。

 咲き誇る花々。

 さっき歩いていたベッキオ橋やドゥオモもこんなに下になった。

 住宅群の茶色の屋根も手に取るように眺められる。

 ほぼ登りきったけれども、城跡に入る入口はまだ鍵がかかったまま。それで、入り口手前にあった開店前のカフェスペースで一時休憩。

 ここにはいろいろな花が咲き乱れていた。ピンクの朝顔。

 この花はカステルサルドの宿でも見かけた。

 可憐な小さい花も。

 対して、大輪の黄色い花。

 空はすっきりと晴れ渡って、いい気持ち。
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目の覚めるような水面のブルー、街を描いたドゥオモの天井画

2017-11-03 | ボーザ・サルディーニャ

 朝目覚めると、有り難いことに今日も空はさわやかに澄んでいる。外に出た。テーモ川の水は見事なコバルトブルー!

 対岸に並ぶ建築群は、昔なめし皮の製造所だった工場だ。

 昨夜は寂し気に打ち捨てられた風情だったボートも、朝見るとさわやかにさえ見える。

 ベッキオ橋も青空の下ですっきりとしたその姿を見せている。

 橋を渡るとすぐにドゥオモの姿が見えてくる。

 その前で油を売っているおじいさん連中に挨拶をした後、ドゥオモの中に入ってみた。

 主祭壇は、最奥の中央に。

 そのすぐ手前にクーポラの円天井。

 聖母の像なのか、優しい表情。

 天井に描かれた絵をよく見ると、左下の部分に山頂の城壁やベッキオ橋などボーザの街がちゃんと描かれていた。こんな地元の風景のある天井画は、ローマやフィレンツェといった歴史のある都市以外では珍しい。

 もう1つの天井画は聖母被昇天と思われる。

 ライオンが魚を抱えている像。さすがに海辺の街らしい。

 もう1度天井を見上げる。細かな装飾がなされていることが解る。

 規模は小さいけれど、とても地元民に愛されているドゥオモのようだとの印象だった。さあ、今度は山頂の城を目指そう。



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