新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ケルンの街歩き② オーデコロン発祥の地で香水購入、イベントにも参加してシャンパンも頂いた

2019-07-12 | ドイツ・ケルン

降りしきる雨。少し強めの降りになってきた。でも、この程度なら大丈夫だろう。

今日のテーマはケルンに残るロマネスク様式の教会見学。でもそのルートの途中にケルンに本社のある香水メーカー「4711」の店がある。土産に頼まれていたので、まずはそこに寄ろう。

 トウニス通りの交差点を通過するとすぐに「4711」の店が見えてきた。ケルンという地名は英語風に読むと「コロン」になる。それはオーデコロンのコロンだ。

 香水=オーデコロンとは、フランス語の「ケルンの水」という意味だ。誕生したのは18世紀のケルン。後にナポレオンがケルンを占領した時、フランス兵がこの香水を好んで母国に持ち帰ったことから世界に広がった。

 つまり、ここが発祥の地であり、「4711」はそのトップブランドだ。ちなみに「4711」とはナポレオン占領当時の店の住所番地をそのまま店名にしたのだという。

 店の前に来ると、まだ開店前だったが中で何やらセレモニーらしきことをやっている。中の人が私に気付くと手招きしてくれた。入ってもいいらしい。

 入ってみると、この本店の2階にある香水博物館が改修工事を終えてリニューアルオープンするというセレモニーの最中だった。

 入るとすぐにコンパニオンからいただいたシャンパンをごちそうになり、記念写真も。

 さらに改装された博物館も見学させてもらった。

 もちろん香水4711もちゃんと購入した。

 ほろ酔い気分で外に出ると、隣のビルの壁には通勤中の人達のようなシルエット画が描かれていた。ちょっと面白い。

思いがけないシャンパンで足取りも軽快に当初の目的地聖ゲレオン教会に向かった。

 ロマネスク教会というのは、ゴシック式の大聖堂が建設される一世代前の建築様式で、重厚な姿が特徴的だ。この教会も7世紀の建築だという。

 教会前の広い前庭に、ごろりと転がった巨大な人の顔。ずっとこの状態で置かれているという。なぜかは不明。

 中に入ると、ロマネスク式特有の厚い壁と小さな窓という形が目立つ。前日に見たケルン大聖堂の大きなステンドグラスとは対照的な違い際立つ。

 でも、その小さな窓に取り付けられたステンドグラスが印象的だ。ドイツの教会の多くがそうであるように、この教会も世界大戦の破壊を経て近年に設置されたであろうステンドグラスだが、色彩の鮮明さが美しい。

 祭壇にはピエタ像。雨天の午前中とあって、堂内は無人状態。耳にツンとくるような静かさの中で対面するピエタ像は身の引き締まるような思いに包まれる時間だった。

 帰りがけ、遠くに雨に煙る大聖堂が見える。これだけ離れていても、157mもの高さは迫力十分だ。

 

 

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ケルンの街歩き① ホテルレストランには戦後の著名な政治家たちがズラリと勢ぞろい。

2019-07-09 | ドイツ・ケルン

 

 とても静かな朝。まるで日本の梅雨時のような雨が、粒にもならず気体になる寸前の細かさで空間を覆っている。ケルンの煙る朝。

 本来ならベッドでぬくぬくと昼まで過ごしたい気分。でも滞在時間は短い。瞼をこすりながら朝食ルームになっているホテル経営のレストランへ出かけた。

 到着したこのレストランの壁面は、一気に眠気を覚ましてくれた。というのは、壁一面に欧米の著名な政治家たちの写真がズラリと張り巡らされているのだ。ケネディ、ブッシュ、メルケル・・ポスターや映画の名場面を飾ったカフェやレストランは、パリのラ・ロトンド、バルセロナのクワトロ・ガッツなど入ったことがあるが、政治家オンパレードは初めての経験だ。

 せっかくなので、それらの写真を観察してみた。

 アメリカ。ケネディ大統領。

 ドイツ・メルケル首相。だいぶ若いなあ。

 右横にソ連・スターリンがいる。

 右にゴルバチョフ書記長。

 レーガン米大統領。

 毛沢東とフルシチョフ。

 プーチン、メルケル、ブッシュ。

 これは統一前の東ドイツベルリンの風景かも。

 「ここから2マイル先はソビエトのゾーン」と書かれている。思えば、ドイツの壁が壊されて分断が解消されてから、もう30年にもなるんだなあ。

 ホテルのオーナーが趣味で収集していたとか。とにかくバラエティ豊かな要人コレクションだ。

 ちなみに、泊ったホテルは「ラインホテル ザンクトマルティン」ホテル。中央の白い5階建ての建物だ。

 

 

 

 

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ケルン大聖堂⑨ 夜明け前、大聖堂のシルエットは立ちふさがる巨大な城塞に見えた。

2019-07-06 | ドイツ・ケルン

 未明に目覚めてしまったので、大聖堂がライトアップされているかもしれない、と思い立ち大聖堂まで出かけてみた。

 降りしきる雨の中、暗い夜空状態だったが、霧が流れると一瞬空が青くなり、大聖堂の全容が現れる。

 南口に回ってみると、こちらはフライングバットレスの迫力ある姿を見ることが出来る。

さすがに高い!

 聖堂裏側に回った。正面のすっきりとした形とは違って、威圧感たっぷり。

 そそり立つ尖塔群の様は巨大な城塞そのものに見える。

 まるで、切り立った断崖のようにも。

 少し経つと夜明けが近づいてきた。空に明るさが加わる。

 南側広場は雨に濡れた地面が家々の照明を反射して幻想的な表情を見せている。

 閉店中の店のウインドウ。マネキンの姿が石畳の路面に映りこんでいる。

 隣りにあるフィルハーモニーの波型屋根のシルエットが浮き出ている。

 少し離れて全体を俯瞰してみる。2つの尖塔がはっきりと空中に突き刺さっている。

 もう少し離れた場所ではウイルヘルム1世の騎馬像が大聖堂をじっと見つめていた。

 

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ケルン大聖堂⑧  カラフルで華やかなステンドグラスが大聖堂をぐるりと取り囲んで、来場者に至福の時間を提供する

2019-07-02 | ドイツ・ケルン

バイエルン窓以外にもたくさんのステンドグラスが張り巡らされている。今度は左側のステンドグラスを見て行こう。

 これも東方三博士の礼拝。とても珍しく白い衣装を着た聖母マリアの姿が浮き立つ画面構成になっている。

 その下部にはケルンの騎士聖人たちの姿。

 こちらは東方三博士が礼拝に来るきっかけとなった、キリスト誕生のシーン。

 この下には王侯たちの列。

 教皇と思われる人物の姿もあった。

 こちらは召使たちだろうか。でも立派な出で立ちが印象的だ。

 細長いステンドグラスに描かれた絵。こちらは前のものとは違った時代に制作されたものらしく、タッチが全く違っている。

 華やかな装飾が丁寧に施されているのがわかる。

 ここに描かれた女性は聖母マリアではないような。

 細かくてよくわからないが、「ケルンの子どもたち」と題された、沢山の子供たちの情景を描いたものもあった。

 第一次世界大戦で破壊された所にゲルハルト・リヒターが新たに制作したステンドグラス。72色を使った抽象的なデザイン。時の大司教はこれが気に入らずにお披露目会を欠席したらしい。私も、ちょっとこの大聖堂にはそぐわないと思える。

 聖クララの祭壇。聖書の物語が幾つものコマに分かれて描かれている。

 箱に入った人物がズラリ。こんな変わった作品もさりげなく置いてあった。

 

 

 

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