三重大医学系研究科の岩永史朗准教授(医動物・感染医学)は、アフリカに生息するマダニの研究で、「マダニが動物の吸血時に分泌するホルモンの遺伝子を恐竜など脊椎動物から獲得していた」と発表した(3月7日)。英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された(2月21日)。
岩永准教授は、アフリカに生息する体長1cm程のマダニ「オルニソドロス属マダニ」に着目。マダニは唾液を宿主動物の体内に注入しながら血管を拡張し血を吸う。このダニの唾液腺の遺伝子を解析したところ、脊椎動物にしか存在しない血圧降下ホルモン「アドレノメデュリン」の遺伝子構造と一致した。この遺伝子は脊椎動物しか持っていないことから、マダニが脊椎動物から吸血を介して遺伝子を獲得したと考えられ、遺伝子が動物間で移動した(水平伝播)と言える。
進化系統を解析し、この遺伝子は爬虫(はちゅう)類か恐竜(2億3400万年前(三畳紀)~9400万年前(白亜記)に生息)から獲得したと推定。
◆マダニ
マダニ科は14属、702種からなる。
マダニの吸血は吸血昆虫の吸血と異なる。
吸血昆虫は口吻が針状で、これを血管に直接刺し入れて吸血する。
マダニの口器は鋏のような形で、これで皮膚を切り裂き、口下片と呼ばれるギザギザの歯を刺し入れ、皮下に形成された血液プールから血液を摂取する。この時、マダニは口下片から様々な生理的効果のある因子を含む唾液を宿主体内に分泌し、吸血を維持している。
◆遺伝子の垂直伝播・水平伝播
垂直伝播:生物は細胞分裂によって母細胞から娘細胞へ染色体がコピーされ、遺伝子・ゲノムが次世代に継代される。
水平伝播:遺伝子が生殖ではなく、同種または異なる種に遺伝子の特定領域が組み込まれて機能する現象。
畑のビニールハウスで「つぼみ菜」の花が咲きだした。
「つぼみ菜」は「かき菜・あぶらな・しん切菜」などと呼ばれ、寒い時期でも収穫できる緑黄色野菜である。苔立ち(とうだち)した茎葉、つぼみを掻いて食べる。
「つぼみ菜」の呼び方は通称らしく、「あぶらな類」と言うらしい・・正式名は判らない。
あぶらな(油菜)は大別して2種あり、セイヨウアブラナ(西洋油菜):植物油の原料として栽培、在来種アブラナ:開花前に収穫する野菜、との事・・違いが判らない。
あぶらな類
アブラナ科アブラナ属
アブラナの仲間には、菜の花やブロッコリー・キャベツ・白菜などがある
開花時期:2月~5月
花は、茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色の十字状花を沢山付ける
アブラナ属の花は良く似ているので、全て「菜の花」と呼ばれることがある