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国民総幸福度

2010-12-19 22:15:00 | 日記
2009/10/30
ぽかぽか春庭くねんぼ日記09年10月>幸福度ランキング(1)相対的貧困率

 厚生労働省は10月20日、国民の貧困層の割合を示す指標である「相対的貧困率」が、2007年度で15,7%だったと発表しました。
 厚労省のHPhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/h1020-3.html
の報道発表資料として、以下の文面が、大臣官房統計情報部国民生活基礎調査室室長補佐 鈴木知子、政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 竹林悟史を代表として掲載されています。
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厚生労働大臣のご指示により、OECDが発表しているものと同様の計算方法で、我が国の相対的貧困率及び子どもの相対的貧困率を算出しました。
最新の相対的貧困率は、2007年の調査で15.7%、子どもの相対的貧困率は14.2%。
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 春庭コラム「いろいろあらーな」では、2005年9月にジニ係数の数値をとりあげ、日本の貧困率が高くなってきていることを書きました。ジニ係数がゼロなら国民所得の格差はなく、平等。係数が1なら、格差は大きい。1960~1970年代は、日本が「一億総中流」と思っていた時代でしたが、この頃のジニ係数は0,2で、平等性が高かった。2005年の時点で、日本のジニ係数は約0,3に上昇しており、格差が広がっている。
 1980年ごろまでは、最高所得階層と最低所得階層の所得格差は10倍以下だった。しかし、2002年の格差は168倍に広がっており、2009年はさらに格差がひどくなっているだろう。高所得を一部分の金持ちが独占すると、国民の大半は平均所得に達しない状態が続く。

 厚生労働省が実施している所得再分配調査によると、日本の格差は、アメリカやイギリスよりは小さいが、デンマークやフィンランドよりは高い。相対的貧困率、ジニ係数、どちらを見ても、日本がどんどん貧富格差が開いていることがわかります。

 相対的貧困率は、「全国民の年収の中央値の半分に満たない収入しかない国民の割合」がどれくらい存在するか、という割合です。国民の所得分布の中央値と比較して、半分に満たない国民の割合をいいますが、国によって、この中央値は異なってきます。国内の経済格差がわかります。
 2008年の国民生活基礎調査(上記の鈴木知子さんが室長代理をしているの部署が行った調査だろうと思います)では、日本の一世帯当たり年間所得の中央値は448万円でした。その半分224万円以下の世帯収入の家庭が、相対的貧困率の対象となります。また、2008年の同調査室の調査によると、年間所得が200万円未満の世帯の割合は全世帯の18.5%だそうです。数字に弱い春庭、この計算方法がよくわからない。世帯当たりの年収448万円というのは、ひとり当たりにするといくらなのだろうか。

 10月20日厚労省発表の日本の相対的貧困率は。全世帯の可処分所得を1人当たりに換算し、高い順に並べたときに真ん中の所得(中央値)は228万円。その半分114万円以下の可処分所得(税金などを支払ったあとの、使えるお金)で生活している人が「貧困者」です。こちらの計算では「可処分所得一人114万円」というので、わかりやすい。
 98年以降の3年ごとの数値も公表され、98年は14.6%、01年は15.3%、04年は14.9%が相対的貧困層にあたる。

 OECD加盟30ヶ国のうち日本は27位という貧困率。一番貧困率の高い30位がメキシコ、ついでトルコ、アメリカ。アメリカは貧富の差が大きい国なので、トップの金持ちと貧困層の差があることはよく知られていますが、日本も負けず劣らず、貧富の差が大きい国になったのです。貧困率が低い国はデンマーク、スエーデンなど、北欧の福祉充実国です。税金の高さでは世界でもトップだけれど、国民全体が豊かさを享受しています。

 金持ちだけがどんどん資産を増やす方針のアメリカ、そのアメリカをお手本に「自己責任」と言いつつ貧困率を上げてきた日本。「よかった、うちは貧困家庭じゃなくて」と、思った人が幸福感を得ているとは限らない。貧富の差が大きい国は、「国民全体の幸福度」も下がる。
 社会への信頼や安全、生活の満足感などの総合した感じ方が「幸福度」であるとしたら、いくらお金持ちでもいつも「財産を失うかもしれない」「盗まれるかもしれない」という不安の中に生きているなら幸福度は低い。

 幸福感の調査というのも、いろいろな部署でいろいろな計測方法が出されているが、世界の幸福度ランキングで、日本はどの調査でも低い。

<つづく>
05:36 コメント(3) ページのトップへ
2009年10月31日


ぽかぽか春庭「国民幸福度」
2009/10/31
ぽかぽか春庭くねんぼ日記09年10月>幸福度ランキング(2)国民幸福度

 2008年発表の調査結果ですが、アメリカ国立科学財団(NSF)は、世界の幸福度ランキングを発表したそうです。世界で最も幸せな国はデンマークでした。
 この調査は、1981年から定期的に実施されているもの。2008年の調査はミシガン大社会調査研究機関の政治学者、ロナルド・イングルハート氏が率いて実施され、52の国の35万人を対象に「すべてを総合的に見て、今自分が幸せかどうか」と「総合的に考えて、自分の最近の生活にどの程度満足しているか」という2つの質問をし、回答者の答えを集計したのだといいます。
 各国・地域の住民に対し、幸福度と生活全般についての満足度を尋ねた結果、幸福度が高かった上位10カ国・地域はデンマーク、プエルトリコ、コロンビア、アイスランド、北アイルランド、アイルランド、スイス、オランダ、カナダ、オーストリアの順。米国は16位。日本は43位。プエルトリコやコロンビアのように、日本よりGNPが低い国でも国民は「今、自分は幸せ」と感じる人が多いことが注目されます。幸福感とは、年収や「物をたくさんもっている割合」では計れないということでしょう。

幸福度は経済成長や民主化、社会的寛容度の高さに比例し、独裁政権下の国や貧困国は幸福度が低い傾向をみせる。「幸せでない」と感じる人が「幸せ」と感じる人を上回ったのはルワンダ、ロシア、イラクなど19カ国。最下位は政情不安が続くアフリカ南部のジンバブエ。ムガベ大統領による長期強権政治、超高率インフレなどで、住民が隣国の南アフリカへ脱出してしまう状態。

 舅の残した遺族年金で暮らし、「貧困家庭」ではない生活を一人で楽しんでいる姑、我が家が「(実質的)ひとり親貧困家庭」であることは知りません。「男は家族を養う存在」と信じている姑なので、「息子は自営業で苦しい経営だけれど、家族のために一生懸命働いている」と、思わせています。姑は「息子の家庭は、贅沢はできないまでも、世間並みの生活をしている」と信じているので「ひとり親貧困家庭」の実態を知り「エンゲル係数、超高い」生活を知ったら心配が高じて健康に悪いかもしれない。姑が介護が必要な状態になったら私は稼ぎに出ることもできなくなって一家全滅してしまうので、姑の前では「幸福」を演じなければなりません。

 「幸福感」とは必ずしもお金のあるなしで決まるのでないことは、GNPが高くなくても「国民幸福度」が高い国もあることからもわかります。私はひたすら「貧乏でも楽しんで生きる」工夫を続けています。「国民幸福度」の計算方法とは異なるでしょうが、我が家、貧困家庭の一員ではあっても、不幸ではない、、、と私は思っているんだけど、息子と娘にしてみれば、貧困家庭で育ったつらさをもう十分に味わった、とうところか。

 貧困家庭の「生活を楽しくする工夫」のひとつが、招待券集め。招待券を手に入れて絵画展写真展を楽しんだり、古本屋の百円均一本を買うのだけがショッピングの楽しみだったり、「安い、無料、ご招待、」を生活の楽しみにしています。
 招待券もらってタダで見る絵画展でも、絵を見て心ゆたかにすごす時間は同じです。
 百円本だとて、読む楽しみは同じ。百円本が簡単に買えるようになって、図書館で借りる率が減りました。図書館の本は返さなければならないので。少し待てば古本屋に出回ると推察できる本は、すぐ読みたくてもちょっとがまん。

 百円本にはいろいろな「思わぬ出会いの楽しみ」があります。先日百円本の中で見つけた池田亀鑑『平安朝の生活と文学』は、絶版にはなっていないけれど品切れ本で、復刊希望が出されている本です。百円本の棚で、新刊書店では買えないこんな品切れ本も見つけることができます。

 「幸福度調査」のアンケートが私のところにやってきたら、、、、。「貧乏ではあるけれど、一病息災であるし、雨露しのげる住まいがあるし、仕事も続けていられて粗食は食べられるし、不幸といったら罰当たりそうだから、一応幸福と言っておかなければならないかもしれないんでしょうけれど、、、」という歯切れの悪い返答ながら、「不幸ではない」ってほうの部類に自分を入れないと、戦下に暮らしている人や地震や津波の被害から立ち直れない人に申し訳ないから、、、、


<おわり>
コメント
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