百日草

天気　曇がち

涼しさを感じる日々が続き、今年は猛暑がもう来ないかも、と思いたくなる。
この時期は、若くして逝った義弟・甥二人の忌日が相次いでいて、おまけに終戦日ということもあって心楽しめることがまずない。おまけに今年は姉のこともあるし。

先月、吟行句会で行った「生田研究所資料館」で、戦中の日本軍の毒薬研究など負の遺産を見る羽目になった。
一気に自分自身の戦争の記憶やら、軍人でもないのに戦犯に「させられた」父のことやらを思い出した。
その資料館前のベンチに座っていたら、足元に蟻が近づいてくる。何やら、蟻の体よりも大きな翅を運んだり。

戦争は飢うることなり蟻の列　　KUMI

そこで、こんな句が出来てしまった。子供にとって戦争と戦後は飢えと貧しさの思い出ばかりなのだ。同じ年代の人とその当時の話になると「貧乏自慢」になっていたりする。
私はといえば、飢えていたつもりが、母の実家の村に疎開し、海の幸・山の幸に恵まれて東京育ちの夫に較べるとあまり飢えてはいなかったらしい。

終戦日になると思い出すのは、百日草。
玉音放送のあった時、疎開先の遠縁の農家の縁側に置いたラジオの前に大人たちが集まっていた。
何だか解らない音に退屈して、私は庭の百日草の中に居た。自分の丈よりも高いような百日草が、たくさん咲いていた（今は、ジニアと呼ばれて丈が低い）。
大人たちがいつになく神妙にじっとしていた背中と、百日草と。私には、それだけが当日の思い出。

今日は涼しいうちに公園にでも百日草（ジニア）を見に行こうと思ったのに、オリンピックが見たくてやめてしまった。オリンピックと高校野球を見て運動不足になる・・妙なこと。

百日草玉音放送聴きしこと　　KUMI　

蝉

天気　晴たり曇ったり

下の蝉の写真をトップにしようと思って、う～ん、嫌いな人にはグロテスク過ぎかも、とやめて小さい写真にしてみた。我が家の網戸に張り付くアブラ蝉。

こんな訪問が一昨日・昨日と続いた。網戸にはりつくということは中から叩けば飛んでいくからいい。困るのは、昏くなってから、窓や壁にぶつかってベランダにひっくり返ってしまう蝉。なぜか、蝉は仰向けになると自力では元に戻れない。
ジイジイとうるさく鳴いて苦しんでいたり、鳴けないメスはバタバタともがいていたり。室内に居ても気になって仕方がない。
朝起きて、ベランダで骸になっているのも、何だか困る。

とうことで、毎晩のようにそんな蝉を助けている。ベランダだけではなく、外廊下を歩いていてもよくそんな蝉に出逢う。
掴まえたら、ブルブル震えている蝉。スマホを右手に持って撮ってみた。

今朝は、珍しく明け方に暑くて目が覚めてしまった。昨夜は涼しかったからエアコンも必要なかったというのに汗びっしょり。厭な夢を見たらしい。
しばらく、窓を開けて風を入れていると、みんみん蝉が鳴き始めた。ヒヨドリに混じってホオジロも鳴いている。遠くで蜩も。
などという「音」を聞いていると気になって眠れない。汗がひいたので窓を閉じて・・
でも珍しく寝不足になった。何も予定のない日、ま、仕方ないか、と朝から頭がぼ～～っとしたままで、とうとう午後には2時間も昼寝！！
という一日、何もしないままもう夕刻だ。蝉の訪問は、今夜もあるのだろうか。

かなかなを聴きとめてより二度寝かな　　KUMI

昔、狸の里

天気　時々晴

今日は姉のマンション～病院～帰宅、という三角形を移動して。
で、病院の送迎バスに乗るのに、小田急線の普通電車しか止まらない駅で降りなくてはならない。我が家から病院へ直行ならばもっと近いＪＲの駅があるのだけれど。

急行から乗り換えの駅で普通電車を待った。なかなか来ない。なので、スマホで電車など撮影してみた。


多摩丘陵を切り開いて作られた線路は小田急線に実家のあった頃にはなかった。
駅も綺麗なら駅の周辺もまだ新しいくて、このあたりへ来るといつもジブリのアニメ「平成狸合戦」を思い出す。狸の里を人間が踏み荒らした訳で。今も狸の生き残りがどこかに棲むのかも。

そんな呑気なことを言っている状況ではないけれど、ともかく、今日は疲れた。

狐狸棲みし山はいま町秋暑し　　KUMI

新涼

天気　曇一時晴

今日は猛暑も遠のいて、涼しい、とまでは言えないけれどほっとする気温になった。
朝、こぼれ種の芽を植えておいた日々草が花を咲かせてくれた。ちょっと嬉しいこと。

午前、一ヶ月ぶりに太極拳へ。会場まで徒歩10分弱、殆ど汗をかかなかった。
終ってから、幹事さんが「昼食一緒にしよう」と。終了時刻が12時40なので、帰宅してから作るには遅い時刻、いつも私はお握りをつくっておくか、駅前のカフェに寄っていく。今日は一人でもカフェに寄るつもりだった。5人で賑やかなランチ。
このお店、若い人に人気なので私には量が多い。と思って入ったら、子供向け？ハーフサイズのものがあった。私には嬉しいことだった。以前に入ったときは気づかなかった。


この半年、そんな機会がまったく持てなかった暮らし、今日は楽しくおしゃべりが出来た。

蜻蛉に追はれて渡る交差点　　KUMI

52年振り

天気　晴　夕方大雨

昨日の超猛暑を体感すると、今日の暑さは普通、と思ってしまう。
それでも午後にはまた、熱中症注意情報が出て、そのあとは大雨警報が出て・・忙しく天候の変わる日だった。
ベランダはコンクリートの床なので反射熱が凄く、50℃を越すようだ。そんな日は、真昼には朝顔を室内に「避難」させる。蕾が枯れてしまうのだ。
エアコンの部屋に入れておくと夕方まで咲いていたりする。朝は薄い水色の花が、昼ごろからだんだんピンク色に変っていくのが面白い。

という日、外出予定はないので私も暑さから避難状態、なのでＴＶのオリンピック中継と高校野球を見て、落ち着かない気分を楽しませるしかない。
水泳の自由形800ｍリレーでもしかしたらメダルが狙えるかも・・というのでライブで見ていたら、本当に銅メダルをとってしまった。しかも東京オリンピック以来のメダル、というからびっくり。52年振り、ということだ。
その東京オリンピックを体感している私も随分長く生きてきたものだ、と思う。

でも、この猛暑の季節にオリンピックなんて、とんでもないことだ。熱中症注意報は「原則運動禁止」なのだ。汗腺の少ない民族には大変な苦痛になるだろうと思う。
52年前のオリンピックは無論秋天のもと。時期をずらすことは出来ない、いう。
ともかく、私は東京オリンピックの招致には反対だった。

朝顔や隣家の窓を開く音　　KUMI