回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

スキャンされる消費者の顔

2013年11月04日 17時11分04秒 | 日記

英国内で450のガソリンスタンドのを展開しているスーパー最大手のテスコが、給油待ちをしている消費者(ドライバー)の顔から性別、おおよその年齢およびスタンドの広告を見ている時間をリアルタイムで集計し、広告主に還元できるスキャンシステムを導入することに対して議論が巻き起こっている。テスコ側は、スキャンした情報は蓄積保存されないし、そのデータによる広告の効率化のためにのみ使用すると防戦しているが、プライバシーの侵害あるいはそのデータが何者かによって悪用されるのではないかとして反対論が湧き上がっている。

今やカメラには顔を認識する機能がついているのが普通であり、それによってたとえば自分の子供を写すような場合、カメラが顔を確認するようにできているからピンボケの怖れはない。したがって、テスコが行おうとしているような顔から年齢などを判断することは一定のデータをカメラに習得させておけば技術上の問題はない。

警察の監視カメラについても反感の多い英国のこであり反発は当然予想されていたところ。それでも踏み切るとは、やはり広告主の民間企業に対する影響力の大きさを感じる。

顔から推測される性別や年齢は、理屈上は個人情報とは言い難い。日常生活の中で街を歩けば当然に顔を晒しているわけで、通りすがりや乗り合わせた他人が顔から性別や推定年齢を承知するのを防ぐすべはない。しかし、今回の話に抵抗があるのは、それがスキャンシステムと言う、IT技術により無機質にデータが取得され、商業目的に利用されることだろう。更に、こんなことが認められると、さまざまな目的での性別、年齢などの情報を収集するためのカメラが街中に溢れることになりはしないかと思う。

コメント
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