回顧と展望

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フィリピン救援/ハイチから学ぶ教訓

2013年11月13日 10時40分27秒 | 日記

英国テレグラフ紙のDavid Blairの寄稿記事に2010年に発生したハイチ大震災の際の国際援助が如何に無意味でずさんだったか、そして今でもなんら復旧が進んでいないことから、国際的な人道支援が誤った方向に向かったことを今回のフィリピンで繰り返すことのない様にとの報告があった。そこで指摘されていることは

第一に、発表される支援額や復旧の数字は全くあてにならないこと。この様な数字は、関係する国際機関などの官僚の得点稼ぎにしかなっていないという現実。

第二に、したがって、いくらフィリピンに援助がなされたかは問題ではなく、被害者に実際どの程度わたっているかという事が重要。ハイチでは救援物資が現地の窓口機関に渡された後、野積みになって全く無駄になってしまったこと(倉庫に放置された膨大な支援物資があった)。これらもまた、国際機関などが、現地窓口に渡したことで事足りるとした官僚的思考にこりかたまっているためである。

第三に、災害の当初は生命を守るというのが最も重要だが、その任にふさわしいのは軍隊であること。ハイチの場合、米軍基地が近くにあり、この点では、ハイチ政府が全く機能不全だったにも拘らず人命の救助が出来た。軍隊は輸送、兵站および自身の安全を守ることが出来るということで適切だ。

今回のフィリピンの場合、日本がまず医療チームを送り込んで救命活動を展開していること、交通、インフラ復旧のために自衛隊員を1000人規模まで投入するというのは、Blairの意見にもある通り、適切なものだと言えるだろう。

無責任な国際公務員が引き起こしたハイチでの国際援助における失敗例が、フィリピン支援の際に生かされることを切に願う。そして、災害の被害者に救援物資が本当に届いているのか、厳しい目で見なければならない。

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