今日のワシントンポストになぜ米国人は自分の政府を嫌うのか、という社説(論説委員の投書)が掲載されていた。米国政府機関が効果的でなく、非能率な組織になっているために、才能のある人材が情報開示や利益相反の問題、政治上のリスクなどで政府機関に寄り付かないという事で、その悪循環になっている、という事が原因のようだ。今や、米国の政府機関は、費用の削減と組織防衛に走っており、それが次々と発生する難題、イラク戦争やアフガニスタン派兵、ハリケーン被害復興、オバマケアなどにおける費用の大幅超過や遅延となり、政府機関の無能さが明らかになっている。かつて、ニューデイール政策や第二次大戦時の米国政府機関は簡素で良く管理運営されており、何より効率的だった。そのため費用は予算内、期限内の完工など、国民の期待に応えていた時期もあったのだが、現在ではNASAやFRBなどの一部の機関に限られてしまっている。
たしかに、米国では自助努力、自己責任の観念が強いから、政府に何かを期待するという精神構造はない。政府は余計なことをするな、というのが米国では主流だろう。しかし、いつの時代にも、弱者救済や、政府への依存心を持つ者はいる。
ちょうど50年前に暗殺されたケネディが大統領就任演説で米国人に訴えた、 ask not what your country can do for you – ask what you can do for your country の意味を改めて考える時期なのかもしれない。