回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

ZOOM会議

2020年05月15日 08時48分56秒 | 日記

ロンドンの友人から、WEBを使った会議があり、日本から技術的にも時間的(ロンドン時間正午、日本時間午後8時開始)にも問題のなさそうなので、参加してはどうか、と声をかけられた。ロックダウン下にあるロンドンでどのようなWEB会議が開かれるのか、そしてテーマもコロナウイルスにかかわること、というので二つ返事で了解したら、主催者からメールが届き、会議システム「ZOOM」を使用するのであらかじめ準備をしておいてほしいということだ。さっそくZOOMを検索してその手順通りに準備をしておいたらスムースに参加できた。昨夜の参加者は130名ほど、その中には司会者をはじめ知己もふくまれていたので和気あいあい、まるでロンドンの年季の入った木の調度に囲まれた古びた会議室にでも集まったような雰囲気。医療研究機関、大学、BBCなどのジャーナリスト、ビジネスマンと幅広い分野から参加していた。もちろんロックダウン下のロンドンのこと、各自それぞれの部屋や自宅から参加している。講師の発表後の質疑応答で発言を求めた一人の中東系の研究者が発言しよう(その際には音声を入れることが出来る)としたところ、急に部屋に子供が入ってきて大声で泣きだし中断してしまうという一幕もあった。自宅から参加していると、こういった生活感のある場面が出てくるもので面白い。これから在宅勤務やWEBを使う会議では頻繁にみられる光景になるのだろう。また、チャット機能でいつでもだれでも発信できるからお互いの考えもよくわかる。手を挙げて何か発信する(実際は文字を入力)すると即座に表示されるから、スピード感も問題ない。

初めてこう言った会議に参加したが、この「ZOOM」の画面は分かりやすくかつ使い勝手が良い。すぐに慣れて会議にも打ち込める。ある程度のインタ-ネット利用の経験があればなんの問題もない。このような便利な方法であれば、なにもわざわざ遠くまで足を運ばなくても十分目的は果たせる。コロナウイルスによる外出禁止令というやむに已まれぬ経緯があったにせよ、いずれはこういう時代が来てもおかしくなかったとも思われる。ただ、新しいものに対する好奇心、物珍しさはいつまで続くのか、やはりこのシステムの欠点や副作用が露見してきて、もとに復してゆくのか、まだわからない。もし、この便利なシステムが定着してくるとオフィスのスペースはこれまでほど要らなくなるだろうし、また出張などの必要性も低下するだろう。実際今回参加してみてロンドンと日本の間は、時差以外には全く違和感がなかった。ただ、普通このような会議の後ではワインなどを飲みながら歓談するのだが、それがないのが寂しかった・・

ところで会議自体はロンドン大学インペリアルカレッジの免疫学専門の教授のコロナウイルスの解明、免疫のメカニズム、ワクチン開発についての現状報告が中心だった。特に全く新しいといったものはななかったが、医学専門家として冷静正確な分析という印象で、一部で報じられている誤った理解を正すのには役立った。このウイルスについての解明がかなり進んでいることには希望の光を観ることが出来る。もちろん、このウイルスを世界が知ってからまだ4か月余りしか経っておらず研究の積み重ねという点では不十分で知られていないことも多い。

興味深いことでは、彼によれば、日本の死者数が欧米に比べて圧倒的に少ないのは、日頃からマスクを利用する日本人とむしろマスクを忌避する欧米人との文化の違い、特にこのウイルスが皮膚から口を経由して体内に侵入してくることからのマスクの有用性は事実としてあること、一方、人種(白人、黄色人種、黒人など)や性差による感染者数、死者数の違いとの関連にはまだ一貫性のあるデータは得られていないので、断言的なことは言えない、このウイルスには亜種があるのでは、という質問に対し、この教授は現在そのような亜種は確認されていないしまた変容もしていない、と言ったということだろうか。

今日から日本の一部で緊急事態宣言が解除される。イギリスはまだ当分ロックダウンが続く。そしてZOOM はこれからもコミュニケーションの道具として利用されることだろう。

今も強い香りを放っているジャスミンの花。オステオスペルマム。

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