閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

「シンカンヤ」?

2013-05-14 09:26:30 | 日記
 先に 「本屋」という概念が違うようだ、と書いたけど、それを再確認する話。
 あるところで ある程度「本」に関心を持っている、そして小生が「古本屋」であることを十分認識している若い友人と話していた。其の内に今の刊行物 と昔の本の扱の話題になって、小生が「新刊屋」という言葉を数回使ったら 「よくわからん」という表情で「シンカンヤ?ッて・・・?」 小生もちょっとびっくり! 
 ある古本・古書入門といった類の本の中に古本用語集というようなものがあって、中に
*「しんかんや」新刊屋・店。古書・古本ではなく、新に刊行された本を出版社・取次ぎ業を  通じて扱う店。殆どが委託販売であるのが日本の特徴。「あらほんや」とも言う。
 といった説明の項目があった。 ひょっとしてこれは「業界用語」?「隠語」? 
 そう言えば此れまでにも「シンカンヤ」というと聞きなおされて ちょっと説明するという場面があったような・・。
 ある新刊店の店長さんとの話で 一体どれくらいの人が「お客さん」といえるか?話題になったことがある。人口比である。その数字からして 古本屋のお客の数がいかに微少なものか実感させられる。 松本清張、司馬遼太郎の書斎が公開され、そこに「古本屋」が介在するどころか大きな地位を占めていることを「見ていながら」あるいは「知っていながら」99.99%の人たちにとっては我ことではないのですね。これは新聞社・記者たちにもいえることで、新刊の書評・紹介はあっても「古書」に関する記事はまずない。もしあっても「掘り出し」「珍品」といったゲテモノ扱の記事でしかない。かつて大物新聞記者 などと言われた人たちは皆古書店のお得意さまで 記事や随筆等で(現役時代から)古書に関する事を書いている。 「昔は良かった」など言うつもりはないが 「不易」を忘れた言論・思想界は「影響力」は持ちようがないと思う。
 先の丸善ギャラリー展での 売れたものの様子を見ても同じことが言える。此れについては又次の機会に。
 
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