2010.9.15(水)
後半の「金属地名の謎を追う」は私の期待しているところである。山名、峠名、沢名などと金属関連の言葉との関係を自分の足で確かめながら編集しておられる。もの凄い数の例が出てくるので、こちらの読解力、記憶力のキャパを越えてしまう。それは総満艦飾と言っていいほどの量が出てくるのだが、こちらの能力不足故にちっとも頭に残らない。確かに謎を追っているが謎を解いている訳ではない。勿論謎解きの努力はされているが、通り一遍の推理で終わっている感がする。そのところが不満が残るのだが、あとがきに、「私は言語学や地名学にはまったくの素人である。ただただ不思議に思ったことを自分なりの手法で追ったまでである。そんなことだから、フィクションではもちろんないが、学術的記述ではない。読みもの風に気軽に読んでもらえれば望外の幸いである。」とあった。これで不満解消、一本とられた感じだ。
第二部金属地名の謎を追うでは、今まで多くの書物を読んで既知の事柄が多かったが例として出てくる山や土地の数は他の書物を圧倒していた。その中で大変興味深い例があったので紹介しておく。
それは、7項の逆川、大同二年、虚空蔵の秘密という箇所である。伝承のモデル地区として山形県南部の白鷹山(994m)から南流し、南陽市に至る吉野川流域をあげている。白鷹山には虚空蔵堂があり、別名「虚空蔵山」とも呼ばれている。そこから28Km南流している「吉野川」は一名を「逆川」と呼ばれている。その理由は米沢盆地では珍しく南流しているからだろうと氏は書いているが、地図で見てみると吉野川の支流の多くが南、及び南東方面から合していることも解る。吉野川が南陽市街に入ろうとする宮内には「熊野神社」があり、祭神は埴山姫と「金山彦」で、「大同元年」とされ、「鎌倉権五郎」が銀杏の木を寄進したという伝説がある。
この吉野川流域は古代からの金属地帯で、神明鉱山の開坑口碑が平安後期ということだ。また吉野鉱山は近年まで操業しており、昭和38年で年産5億円とか書かれている。鉱山リストなどで調べると南陽市(旧東置賜郡吉野村)で11箇所の鉱山が見られる。
さてこういった金属鉱山地帯に付きものの伝承が「 」書きしてある部分だ。白鷹山を水源とする吉野川は、三国岳を水源とする上林川と同じぐらいの長さの川である。そしてその吉野川流域と同じ伝承が上林に存在しているのだ。無いのは「吉野川」と鉱山事業所だけである。つづく
若丹国境まで一直線に見渡せる上林谷にも金属伝承がしっかり残っている。
【作業日誌 9/15】
草刈り今年8回目(2日目)、今回ラス前ぐらいになりそうだからいつもより丁寧に刈っている。手間もガソリン代も従前の3倍弱かかっている。
ビフォアアフター
今日のじょん:朝の運動が終わって、けーとくちんをして家に入ろうという段階でよく固まることがある。どうももっと遊んでいたい、家に入るのは嫌という意志を表現しているように思える。呼んでも反応しないし、放っておいたらいつまでも固まっている。写真は固まっているところ。