晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

幻の仏主峠-3 6/29

2019-06-29 | 山・峠

2019.6.29(土)

 昼食を済ませ、元の尾根道に戻る。長老ヶ岳への尾根道は傾斜も落ち、灌木の明るい道だ。イワカガミの群生が所々にあり、立派な赤松も残っている。それにしてもこのコース倒木一本も無い。昨年の大雨でそこら中の登山道が荒れている中で秀逸だ。音海の方々が継続的に整備されているのだろうか。村は四軒六名と聞いた、もちろん村用には都会に出た人も帰ってくるだろうが、これだけの登山道を整備するのは大変である。この登山道を選んでよかった、長老ヶ岳を目指す人はぜひ音海ルートを登って欲しい。
 右手にアンテナの建物を見るとすぐに頂上だ。長老ヶ岳(916.9m)は近畿北部では北山の三国岳(959m)に次ぐ高山で、上林川左岸の山々からはおなじみの山容である。いつも眺めている山に登り、いつも登っている山を眺めるのは楽しい。周囲のアンテナ群や舗装道路などの人工物を無視すれば眺望がよくて嬉しい山である。この日は天気がよくて、遠く舞鶴湾、小浜湾まで見え、青葉山の双耳峰が威張っている。丸山、三国岳、養老山から弥仙山、シデ山から小栗峠の頭、そしてその先に続く山稜がすべて望め、八年間かけて歩いてきた山々が見られるのは感激ものである。

 長老ヶ岳山頂 人工物が興ざめ

東 青葉山、三国岳、丸山、養老山等。舞鶴湾、小浜湾も望める
中 弥仙山の向こうは丹後半島の山々か仏主のガレが気になる、もしかしてアゾだったら、、
西 手前の山稜が上林との境、シデ山、小栗峠の頭、浅原の703mピーク等
  次の山稜が弥仙山から蓮が峰。
 この山頂、どこの山頂でも見られる道標が無い。仏主、音海、乙見など各方面へ下ることが出来るのであっても良さそうなんだが、、。間違いないから東に下る尾根道を行く。イワカガミの群生が次々現れて、楽しい尾根道だ。

 尾根にはイワカガミの群生が、、、。三埜の村が見える。
 やがて仏主からの舗装道路に出る。その地点が悪名高い近畿自然歩道が尾根を越える地点である。そしてご丁寧にインチキ立て看板もある。この地点が仏主峠だというのである。地理院地図では仏主峠はこの地点から500mあまり先である。

この地点は川谷川西谷のツメになる。道はありそうだが仏主峠ではない。近畿自然歩道はこの谷を下るが歴史を無視した横暴である。 
 気にもしないで尾根道を行く、P831mを越え注意しながら進む。地理院地図に峠名が載るほどの峠なのだ、仏主側へ下るはっきりした道があるはずだ、道標だってあるに違いないと思ったのが間違いだった。尾根をどんどん進みP812mに近づいてきた。こりゃあ行き過ぎだ、すぐに折り返し、もう一度目をこらして歩く。獣道はそこいら中にあるが、峠道らしきものは見当たらない。適当に下ったら下れそうだけど、それでは今回の目的に反する、あくまで峠の古道を確認することだ。P831mに戻り、諦める。仏主に下りる道も西谷に下りる道も見つけられなかった。この間道標も、目印のテープなども何も無い。結局元のニセ仏主峠に戻り、舗装道路を歩くことにする。この道路の途中に峠への取り付き道があるので、そこで確認してみようという目算だ。「こんな舗装道路を歩いて、長老ヶ岳へ登ったなんて言ってる奴の気が知れんなあ」なんて馬鹿にしていたもんだから、情けないことこの上ない。そしてすぐに膝や足が痛くなってくる。舗装道路は自動車のためのもので、決して人間のためのものでは無い。真っ直ぐ登ればすぐのところを舗装道路はうねうねと曲がりながら登るもんだから、やたらと距離が伸びる。ショートカット道が随所にあって、テープで表示してあるが結構厳しい斜面で、みんなが利用しているとは思えない。一箇所ショートカット道に近畿自然歩道の立て看がある。どういうことかわからなかったのだが、後日判明する。舗装道路が一番深く山に入り込んでいるところが
仏主峠古道の取り付きである。しかしその箇所の光景に驚いた。昨年の大雨で舗装道路は完全に崩壊し、コンクリートの下は大きくえぐれている。堆積した石の上を越え、峠道を探す。これだけ荒れれば谷筋の道などひとたまりも無い、おそらく峠道も消えて無くなっているだろう。

地理院地図の仏主峠道取り付き地点、怖ろしい水害の痕。
 目的を達せられないまま舗装道路をとぼとぼと歩く。工忠君もツアールートの開拓という意味ではこの舗装道路は使えないとがっくりきている。舗装道路は随所で崩壊しており災害の大きさを思い知らされる。途中の大カツラにはホッとさせられる。この舗装道路が出来たときにも伐採されずに残されたわけだ。やがて権現谷の出合に到着、この谷には七色の木や権現滝などがあるので是非寄って見るべし。とりあえず七色の木だけ見物する。

オマツ谷途中の大カツラ、権現谷の七色の木
合から下は復旧工事が始まっている。工事現場の傍を遠慮しいしい下っていくとオマツ谷出合いの橋に着く。つづく


 


 

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