あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

本の虫

2009-10-31 | 日記
深雪は本が好きである。
気に入った本があれば、10秒で集中モードに入り黙々と読みふける。
家にテレビが無い、というのも一つの要因であると思う。
僕が子供の時、確か小学校3年ぐらいだっただろう。
兄とチャンネル争いのケンカをしていたら、親父が怒ってテレビを土間に叩きつけそれ以来テレビの無い生活をおくった。今となっては良いことだったと思っている。
大人になっても、見るのはニュースとスポーツ中継、ドキュメントぐらいでバラエティという物はあまり見なかった。
テレビというものは毒にも薬にもなるが、今やってるテレビ番組は毒が多すぎる。
「テレビで言ってたから」とテレビの言うことを盲目的に信じてしまう人もいる。気付かずに洗脳されている場合もある。
もちろん作り手によっては良い番組もある。だが数多くは低俗で見る価値のない物だ。
僕のお気に入りはNHKのピタゴラスイッチ。今でもやっているかな。子供向けの番組でも大人が唸るような素晴らしい物もある。
テレビは情報が映像として頭に入ってくる。要は考えなくてもいいわけだ。
作り手が意図する通りに視聴者は受け入れる。
本は違う。
活字を読み、内容を理解して、頭の中で想像する。
想像力が格段に高まる。
もちろん本にも毒もあれば薬もある。
だが本を読むというのは、本人の意志が大きく働く。
なかなかページが進まない本とか、この人なに言ってるの?という本は読まなくても良いと思う。
本選びも直感に従うべきだ。

深雪が5歳ぐらいだったろうか、本を読み始めた時に僕は娘に言った。
「できるだけたくさんの本を読め。それから、読む本は自分で決めろ。他の人が勧めたから読むのではなく、自分が面白そうだと思った本を読め」
今では深雪は本の虫である。
図書館めぐりが好きで、あちこちの図書館へ行っては本を借りている。
クライストチャーチには10以上の図書館がある。家から簡単にいける物でも4つぐらいはある。
コンピューターで検索すればどの図書館にその本があるということまで分かる。
1人最高20冊まで本を借りられる。それから返却はどの図書館でもいいというのだからありがたい。
税金というのはこういうところに使われるべきだ。
住みやすい国というのはこういう事を言うのだ。

僕はいまでも良く本を読む。
20年前、初めてニュージーランドに来たときには、数ヶ月前の日本の雑誌を皆で回し読みしたものだった。
パブでビールを飲みながら英語を覚えてしまったので、英語を喋れるが読み書きは苦手である。読んで一語一語理解をしても、何故ここで可笑しいのか分からない。
今では英語の羅列を見ただけでうんざりしてしまう。なので英語の本は全く読まない。
読むのはもっぱら日本語の本だ。
今ではクライストチャーチの図書館でも日本語コーナーがあるし、日本語専門の図書館もある。
重度の日本語活字中毒患者の僕には嬉しい限りだ。

そんな事を考えていたら、日本の友達から段ボール一箱の本が届いた。
司馬遼太郎、星野道夫、植村直己、池波正太郎、その他もろもろ。
こういうプレゼントは非常に嬉しい。ありがたやありがたや。

今日も僕は娘と図書館へ行く。
子供が喜んで、なおかつ金がかからないというのが良い。
娘のお気に入りは天使の話やお姫様のお話である。
「もうちょっと違う本も読んでみれば?」
と僕が言ってもガンとしてゆずらず、
「自分で読む本は自分で選べ」
という数年前の僕の教えをかたくなに守っている。
将来は、ビール好きアウトドアバカなガンコ親父の話でも書いてもらおうか。
コメント (1)
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