シャープが月内に策定を目指す台湾、鴻海精密工業との提携内容の見直し協議が大詰めを迎える。主要金融機関は新たな提携策を踏まえて、9月にも本格的な金融支援策を決める方針だ。ただ、提携見直しのポイントとなる鴻海の出資比率▽シャープ株の取得価格▽工場などの資産売却-の行方次第では、新たな追加リストラを迫られる可能性もある。
シャープは6月末時点で約1兆2520億円の有利子負債を抱え、1年以内に約7千億円が返済期限を迎える。自力での資金調達が困難なため、シャープは主力銀行に支援を要請。金融機関は数百億円規模のつなぎ融資や、数千億円規模の融資枠設定などの具体策をまとめる方針だ。
銀行側は資金支援の前提として、新たな提携策の早期策定を求めている。シャープも「落しどころが見つかれば、早く合意したい」(同社幹部)のが本音だ。
見直しのポイントのうち、鴻海の出資比率については、今年3月に合意した9・9%を維持する公算が大きい。一時、鴻海は出資比率の引き上げを求めていた。が、日本の経済産業省にあたる台湾経済部が9日、「鴻海株主に損失が生じる恐れがある」として鴻海の投資申請を差し戻し、潮目が変わった。
問題となるのはシャープ株の譲渡価格と、付帯する海外工場などの売却だ。3月の合意時に契約した譲渡価格は1株あたり550円だったが、現在のシャープ株価は約3分の1に下落している。両社は現在の市場価格に近い水準に譲渡価格を見直し、一株当たり200円前後とする見通しだ。
だが、シャープは株式譲渡により約669億円を調達し、財務改善に充てる考えだったが調達額の減少は避けられない。目減り分を補い、鴻海と事業面でのつながりを強化するため、メキシコや中国・南京のテレビ組立工場などを鴻海に売却するよう調整している。
ただ、堺の太陽電池工場のように「買収に名乗りを上げる企業がない」(関係者)というケースもあり、追加リストラの余地は限られる。シャープは資金調達に向けた明確な成長戦略を示す必要に迫られている。
シャープは6月末時点で約1兆2520億円の有利子負債を抱え、1年以内に約7千億円が返済期限を迎える。自力での資金調達が困難なため、シャープは主力銀行に支援を要請。金融機関は数百億円規模のつなぎ融資や、数千億円規模の融資枠設定などの具体策をまとめる方針だ。
銀行側は資金支援の前提として、新たな提携策の早期策定を求めている。シャープも「落しどころが見つかれば、早く合意したい」(同社幹部)のが本音だ。
見直しのポイントのうち、鴻海の出資比率については、今年3月に合意した9・9%を維持する公算が大きい。一時、鴻海は出資比率の引き上げを求めていた。が、日本の経済産業省にあたる台湾経済部が9日、「鴻海株主に損失が生じる恐れがある」として鴻海の投資申請を差し戻し、潮目が変わった。
問題となるのはシャープ株の譲渡価格と、付帯する海外工場などの売却だ。3月の合意時に契約した譲渡価格は1株あたり550円だったが、現在のシャープ株価は約3分の1に下落している。両社は現在の市場価格に近い水準に譲渡価格を見直し、一株当たり200円前後とする見通しだ。
だが、シャープは株式譲渡により約669億円を調達し、財務改善に充てる考えだったが調達額の減少は避けられない。目減り分を補い、鴻海と事業面でのつながりを強化するため、メキシコや中国・南京のテレビ組立工場などを鴻海に売却するよう調整している。
ただ、堺の太陽電池工場のように「買収に名乗りを上げる企業がない」(関係者)というケースもあり、追加リストラの余地は限られる。シャープは資金調達に向けた明確な成長戦略を示す必要に迫られている。