北海道、東北、四国、九州の電力大手4社は26日、中断していた太陽光発電の新規買い取り手続きを再開した。経済産業省が同日、電力会社が太陽光の買い取りを柔軟に抑制できる新たなルールを施行したためで、電力各社は再生エネルギー事業者に対し、柔軟に発電量の抑制を求めることができるようになる。再生エネ事業者にとっては、電力を販売できないリスクが高まることになり、新規参入ペースが落ち込む可能性がある。
電力大手は、再生可能エネルギーでつくった電気を固定価格で買い取ることを義務付けられている。ただ、九電など4社と沖縄電力は昨年10月までに「太陽光の買い取り申し込みが増え過ぎて、受け入れ可能量を超えそうだ」として新規買い取り手続きを停止。経産省は昨年12月、再生エネの電力が余る場合、電力会社が再生エネの発電量を柔軟に抑制することができる新ルールを導入し、電力会社が再生エネを受け入れやすくする方針を決めていた。
26日施行された新ルールは、発電量の抑制対象を、従来の「発電能力500キロワット以上の太陽光と風力」から「住宅用を含むすべての太陽光と風力」に拡大した。抑制期間の上限を年間30日から太陽光は360時間、風力は720時間に変更。1日単位ではなく、時間単位で抑制できるようにした。さらに北海道、東北、九州3社は経産省の算定した太陽光の受け入れ可能量を超えているため、抑制期間の上限を撤廃する。
発電量の抑制期間の上限が撤廃されると、再生エネ事業者のリスクが高まるため、参入を断念する事業者が相次ぐ可能性がある。このため、北海道、東北、九州3社は年度内に発電量の抑制期間の見通しを公表。さらに、4月に発足する「電力広域的運営推進機関」が、電力会社が適正に発電量の抑制を行っているかチェックする。
全国的な再生エネの導入拡大には、余った電力を受け入れ余力のある東京、中部、関西3社に流す送電線を増強する必要がある。経産省は2015年度中に、将来的な再生エネの導入目標を策定したうえで、送電線の増強費用の負担者とどのように負担するかの仕組みを決める方針だ。【中井正裕】
電力大手は、再生可能エネルギーでつくった電気を固定価格で買い取ることを義務付けられている。ただ、九電など4社と沖縄電力は昨年10月までに「太陽光の買い取り申し込みが増え過ぎて、受け入れ可能量を超えそうだ」として新規買い取り手続きを停止。経産省は昨年12月、再生エネの電力が余る場合、電力会社が再生エネの発電量を柔軟に抑制することができる新ルールを導入し、電力会社が再生エネを受け入れやすくする方針を決めていた。
26日施行された新ルールは、発電量の抑制対象を、従来の「発電能力500キロワット以上の太陽光と風力」から「住宅用を含むすべての太陽光と風力」に拡大した。抑制期間の上限を年間30日から太陽光は360時間、風力は720時間に変更。1日単位ではなく、時間単位で抑制できるようにした。さらに北海道、東北、九州3社は経産省の算定した太陽光の受け入れ可能量を超えているため、抑制期間の上限を撤廃する。
発電量の抑制期間の上限が撤廃されると、再生エネ事業者のリスクが高まるため、参入を断念する事業者が相次ぐ可能性がある。このため、北海道、東北、九州3社は年度内に発電量の抑制期間の見通しを公表。さらに、4月に発足する「電力広域的運営推進機関」が、電力会社が適正に発電量の抑制を行っているかチェックする。
全国的な再生エネの導入拡大には、余った電力を受け入れ余力のある東京、中部、関西3社に流す送電線を増強する必要がある。経産省は2015年度中に、将来的な再生エネの導入目標を策定したうえで、送電線の増強費用の負担者とどのように負担するかの仕組みを決める方針だ。【中井正裕】