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[FT]日本がスイスの為替政策に追随しない本当の理由は

2011年09月12日 07時52分30秒 | 為替
 スイス国立銀行(中央銀行)が自国通貨の上昇を抑えるために無制限の為替介入を打ち出し市場に驚きを与えたのを受け、7日の通貨市場の関心は日本政府・日銀の対応に移った。日銀は財務省の指示を受け、円高抑制策を講じるのだろうか。


■円の価値は特別高くないと判断か




記者会見に臨んだ日銀の白川総裁(9月7日、日銀本店)=ロイター

 政府・日銀は動かなかった。日銀は定例の金融政策決定会合で、8月4日に50兆円に増額した国債などの資産買い入れ基金の規模を据え置いた。

 野村証券の池田雄之輔チーフ外国為替ストラテジストは「スイス中銀の断固たる行動を受け、市場は財務省も動くと期待していた」と述べ、日銀の政策維持の発表から数分間で円相場が1ドル=77円39銭から77円07銭に上昇したことを指摘した。同氏は「政策維持が発表されれば、普通は円ドル相場は安定するものだが」と語る。

 日本がスイスに追随しなかった主たる理由は2つある。1つ目は、適正価格から大きく乖離(かいり)しているスイスフランと違い、円の価値は特別高いわけではないことだ。

 日銀の試算によれば、円は輸出競争力を示す「実質実効為替レート」では過去30年間の平均とほぼ一致している。このため現在の円の価値は、1995年初めに79円95銭に達した時点よりも3分の1ほど低いことになる。

 2つ目の理由は、日銀はスイス中銀に比べて政策の自由度に制約がある点だ。日本は主要7カ国(G7)の創設メンバーとして、G7の自由変動相場主義を尊重することが期待されている。


■新内閣が米国に配慮?


 先週任命されたばかりの安住淳財務相は今週、円に対する「投機的な動きに対抗する用意がある」と強調した。

 だが、バークレイズ銀行の山本雅文チーフFXストラテジストは、安住財務相が初舞台となる今週後半のG7財務相・中央銀行総裁会議で、「抜本的な対策」を要求する勇気はないだろうと予測。具体的には、野田佳彦新内閣は円高・ドル安是正に向けた介入実施により米国を怒らせたくはないはずだと言う。

 「野田新内閣は日米関係を修復しようとしているため、ドル安を積極的に容認している米政権を怒らせるようなことは望んでいないと思う」というのが同氏の見立てだ。
■介入に3つの条件

 これは当然ながら、政府・日銀が為替介入を実施できないという意味ではない。

 政府・日銀は過去1年で3度の介入を実施している。直近の8月9日の介入では1日当たりの介入額としては過去最高となる4兆5100億円をつぎ込んでいる。だがこれまでの事例を踏まえれば、介入実施には明らかに3つの条件が必要なようだ。

 1つ目は、円ドル相場の変動が激しいという点。この1年間の3度の介入のうち、2度目の介入がまさにこれに当てはまる。3月の東日本大震災から数日間で円が対ドルで5%上昇したため、海外資金の流出を恐れて協調介入が実施された。

 2つ目の条件は、実体経済も支援を必要としていることを強調するために、日銀の金融緩和策と同時に実施される点だ。昨年9月以降の介入はそれぞれ、日銀の金融政策の調整から2週間以内に実施されている。最後の条件は、日銀は為替介入を1日限りに抑えなくてはならないという点である。

 この3つの条件がそろえば、財務省はG7で介入を正当化できると判断するようだ。

 こうした制約を踏まえれば、財務省がこれまで根本的な円高基調を阻止していないのも驚きではない。断続的な介入には踏み切ってきたものの、円は200日移動平均ではほぼ一環して上昇傾向をたどっている。実際、8月に実施された為替介入では、円はその後わずか10日間で75円93銭の史上最高値を更新した。


■円高のメリットを強調する方向へ


 これは政治的な意思が転換しているとすれば説明がつくかもしれない。内閣府は先週、円高のメリットを国民に納得させる施策を検討していることを認めた。

 これは政治家が口先介入のような中途半端な介入を断念するという意味ではなく、当局が円高・ドル安に対して打つ手がないならば、むしろそのプラス面を強調するということを示している。

 野村証券の池田氏は「米連邦公開市場委員会(FOMC)がゼロ金利を今後8四半期間維持すると発表したのを受け、日本政府はもはや当面は円安方向に振れることはないとあきらめているようだ」と予想する。

 スイスには自国の通貨高に抵抗する意欲も手段もあるが、日本は円高と共存する方法を学びつつある。


By Ben McLannahan

(c) The Financial Times Limited 2011. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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東電社長が一時は「全面撤退」申し入れ 枝野氏「今だから明かす」混乱の内幕

2011年09月09日 08時19分44秒 | ニュース
東京電力福島第1原子力発電所の事故をめぐる、首相官邸の初期対応の具体的な内容が明らかになりつつある。菅直人前首相や枝野幸男前官房長官が、辞任後に相次いで報道各社のインタビューに応じ、東京電力の清水正孝社長(当時)が作業員の全面撤退を申し出ていたことを明らかにした。

菅首相が清水社長を官邸に呼んで問い詰めたものの、清水氏はあいまいな返答に終始。菅氏が業を煮やして東京・内幸町の東電本店に乗り込み、政府と東電の対策統合本部を立ちあげることになったというのだ。
菅前首相「私は『何が撤退だ』と思いました」
東日本大震災直後の2011年3月15日、菅氏は午前4時過ぎに清水氏を官邸に呼び、5時半過ぎには東京・内幸町の東電本店に乗り込み、「撤退なんてあり得ない!」などと怒鳴ったとされる。これが「現場の士気を削いだ」との批判もあびた。この内幕が、少しずつ明らかになりつつある。

菅氏は、首相辞任前、「週刊朝日」8月19日号の単独インタビューで、
「その日の未明に、私のもとに『東電が原発事故の現場から撤退したいと言っている』という報告が来ました。私は『何が撤退だ』と思いました」「そして、いますぐ政府と情報を一元化する部署を東電に作らなければならないと判断して、本社に乗り込み、『撤退なんかあり得ない!』と語気を強めて言ったんです。周りに200人ぐらいはいたでしょうか」
といらだちを表明。首相辞任後の9月5日には、朝日新聞や中日新聞のインタビューで、(1)3月15日午前3時頃、海江田万里経済産業相(当時)から、東電が撤退の意向を示していることを伝えられたこと(2)清水氏を官邸に呼んで話を聞いたが、撤退するのかしないのかはっきりしなかったこと、などを明かした。
吉田所長は「まだ頑張れる」
さらに、9月7日に読売新聞が枝野幸男前官房長官に行ったインタビューによると、当初、清水氏は海江田氏に撤退を申し出たが、海江田氏は拒否。枝野氏に電話をしてきたという。枝野氏が関係機関にコンタクトしたところ、福島第1原発の吉田昌郎所長は「まだ頑張れる」と、撤退する必要はないとの見解を示したという。

東電トップと現場責任者の見解が食い違っていた形で、これが、清水氏が官邸で菅氏に対してあいまいな受け答えしかできなかった背景にあるとみられる。
菅氏も、前出の週刊朝日のインタビューで
「中の情報をいちばん持っているはずの東電も、現場から私に伝わるまで伝言ゲームのように人が介在し、結局誰が判断しているのか、誰が責任者なのか、聞いてもわからない。すべてが匿名性の中で行われていました。吉田(昌郎)所長と会って、『やっと匿名で語らない人間と話ができた』という思いでした」
と、「伝言ゲーム」ぶりを振り返っている。

なお、清水氏は、4月13日の会見で、
「直接作業に関わらない人間とか、そういう人たちは退避するという判断は当然あったが、全員が退避するという判断は持ち合わせていない」
と、全面撤退の申し出を否定している。また、清水氏は菅首相が東電に乗り込んだ翌日の3月16日から数日間、体調を崩して対策本部を離れているが、
「菅首相が(3月15日早朝に)東電本社に乗り込んだことは体調に影響はあったのか」
との質問には
「影響ありません」
と、否定している。
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日本の競争力9位に後退、政府債務は最下位142位

2011年09月08日 07時53分32秒 | 経済
 世界経済フォーラムが7日発表した「2011年版世界競争力報告」で、日本の総合順位は前年より3つ下がって9位となった。順位が低下するのは08年以来3年ぶり。民間部門は引き続き高く評価されたものの、公的部門の低い評価が足を引っ張った。調査項目の一つである「政府債務残高」は、調査対象となった全142カ国・地域で最下位となった。

 総合首位は前年と同様にスイスで、製造業や金融業の競争力、教育制度などが高く評価された。2位はシンガポールで、前年より1つ順位を上げた。財政問題に苦しむ米国は日本と同様に公的部門の評価が悪化し、順位を1つ落として5位となった。

 調査項目別にみると、日本は「生産工程の先進性」「技術革新力」「研究開発投資」「顧客優先度」などが首位で、特に製造業が高く評価された。一方、政府部門は「国内総生産(GDP)比の債務残高」が最下位のほか、「財政収支」が135位、「農業政策」が138位と不振が目立った。

 世界経済フォーラムは「東日本大震災による悪影響は12年版以降に本格的に出てくる」とみており、今後さらに順位が低下する恐れがある。

 世界経済フォーラムは各国の政治指導者や企業経営者が集まるダボス会議の主催団体。経済指標や経営者へのアンケート調査に基づき、各国・地域の競争力を毎年評価して順位を発表している。

 同様に各国・地域の競争力を評価して「世界競争力年鑑」を出しているスイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)によると、11年版の日本の総合順位は26位。先進国に対する評価は、成長を重視するIMDの方が世界経済フォーラムよりおおむね厳しい。(ジュネーブ=藤田剛)
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なでしこはグラウンドの中でも外でも凄かった!中国代表との違い歴然―中国紙

2011年09月07日 07時35分03秒 | ニュース
試合終了のホイッスルが鳴っても、中国代表の李霄鵬(リー・シャオポン)監督はベンチに座ったまま動かなかった。試合内容は満足いくものではなかったとはいえ、2-0で勝利したのだ。一方、選手たちも簡単に観客席に挨拶しただけで、うつむいたまま更衣室へと去っていった。勝利の喜びは微塵も感じられない。

だが、なでしこたちは全く違った。アジアで最も厄介な相手、オーストラリアを1-0でかろうじて破り、ついにロンドンに片足を突っ込んだ。試合終了後は全員でゆっくりと競技場をランニング。誰もがリラックスしている。11日間に5試合というハードな日程を乗り切るには、この切り替えが最も大事だと彼女たちは知っている。

試合後の監督インタビューでも違いは明らかだった。中国がタイに勝てたのも、実は相手のゴールキーパーのミスのおかげ。もし、ミスがなかったら引き分けていたかもしれない。それなのに李監督は「チャンスがきたら確実につかむ。これが強いチームと弱いチームの違いだ」と胸を張った。監督のこの“空威張り”にその場にいた記者たちはやるせない気持ちになった。

これに対し、佐々木則夫監督は3勝全勝という好成績にもかかわらず、これを自慢するようなことはなかった。それどころか、「まだあと2試合残っています。とにかく次の試合で良い結果を残すことしか考えていません」とあくまでも謙虚だった。

ミックスゾーンにおける選手の振る舞いも違っていた。会見終了後、記者たちは選手にインタビューしようと詰めかけたが、中国代表は馬暁旭(マー・シャオシュー)しか残っておらず、他の選手は早々にホテルに戻ってしまっていた。一応、試合に勝ったのだからもう少し話を聞かせてくれても良さそうなのだが。

一方のなでしこたちは、さすがは世界レベルのチームだとうならされた。澤穂希を除く15、6人の選手が一列に並び、メディアの取材を受けている。外国メディアのために通訳までつけていた。そのプロ意識に中国人記者たちも感心しきりだった。(翻訳・編集/NN)
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NY円、反落 1ドル=77円60~70銭で終了 対ユーロでは続伸

2011年09月07日 07時21分07秒 | 為替
6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、3連休前の2日終値と比べ85銭円安・ドル高の1ドル=77円60~70銭で取引を終えた。欧州の一部諸国の債務に対する警戒感が一段と強まり、対ユーロでドルが大幅に上昇。対円でもドル買いが優勢となった。

 国債のデフォルト(債務不履行)リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、ギリシャなどの国債保証料率が急上昇した。欧州の債務懸念が強まり、ユーロからの逃避資金がドルに流入した。

 スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が6日、対ユーロのスイスフラン相場に上限を設けると発表した。安全資産として資金の受け皿となっていたスイスフラン買いに動きにくくなり、ドル選好が強まった。ドル買いの流れが対円にも波及し、円は一時77円73銭と8月9日以来約1カ月ぶりの安値をつけた。

 この日の円の高値は77円08銭だった。

 円は対ユーロで5日続伸し、前週末比40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=108円65~75銭で取引を終えた。欧州の債務不安が再燃し、円買い・ユーロ売りが優勢だった。米株式相場の大幅下落を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、相対的に金利の高いユーロを売る動きが広がった。

 ユーロは対ドルで大幅に5日続落。前週末終値の1ユーロ=1.42ドルちょうど程度から1.40ドル台ちょうど前後に水準を切り下げた。欧州問題の先行き不透明感を背景にドル買い・ユーロ売りが進み、一時1.3972ドルと7月13日以来の安値水準をつけた。高値は1.4118ドルだった。

 ユーロの対スイスフラン相場は急伸し、前週末の1ユーロ=1.12スイスフラン前後から1.20スイスフラン後半まで下落した。SNBが1.20スイスフランよりスイスフラン高になった場合は無制限にユーロ買い・スイスフラン売り介入をすると表明したため、スイスフラン買いに慎重な雰囲気が広がった。

 スイスフランの対ドル相場は下落。前週末の1ドル=0.78スイスフラン後半から0.86スイスフランちょうど前後で終えた。
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