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[FT]フィリップス、アジア開拓の鍵はインドネシア

2011年09月06日 07時43分39秒 | 経済
 電球とテレビで知られるオランダの多国籍企業フィリップスが、採算のとれない先進国の家電市場から、インドネシアなど、人口が多く、所得が増加している新興アジア経済の成長著しいヘルスケア産業へ重点を移している。


■ヘルスケア事業が売上比率トップに




フィリップスは家電からヘルスケアへ事業の軸足を移している(8月31日、欧州家電見本市「IFA」の開幕を控えた同社ブース)

 「インドネシアには少し前から注目していたが、今は本当に急拡大している」。フィリップスヘルスケアのアジア太平洋地域代表、ウェイン・スピットル氏はこう話す。「我々は市場における存在感と事業拡大ペースを維持するために、人員増強に多額の投資をするつもりだ。インドや中国と比べると、インドネシアは小さな出発点からスタートしたが、(売上高の)伸び率では両国を上回っている」

 新興アジア諸国のヘルスケア事業に焦点を合わせる取り組みは、同社の第2四半期の決算に反映されている。旧来の家電製品の売上高は若干減少して12億9000万ユーロ(18億3000万ドル)になる一方、ヘルスケア事業は8%の増収で20億8000万ユーロとなった。

 今年1~6月期には、ヘルスケア事業がグループの売上高の40%を占めて照明事業(3分の1強)と家電事業(4分の1)を上回り、売上比率で初めてトップになった。

 フィリップスの新たな焦点は、景気循環に左右されすぎる薄利多売の製品から離れ、利益率の高いヘルスケア市場へシフトする長期戦略の一環だ。

 同社は米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスといったライバルに対して市場シェアを拡大するために、2000年以降、医療企業の買収に約120億ドルをつぎ込んできた。2008年にはレスピロニクスを49億ドルで買収している。このパターンは鈍ることなく、フィリップスが昨年買収した企業11社のうち、8社が医療分野だった。


■欧米から新興国へシフト


 売上高を地域別に見ると、西欧と北米が減少しており、第2四半期には両地域合計の売上高が6.2%減って30億7000万ユーロとなった。だが、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やインドネシアを含む成長市場では、売上高が9%伸び、17億ユーロとなった。

 「インドネシアでの当社の成長は全くもって驚異的で、(16%という)市場全体の伸び率の何倍にも上っている。我々が投資を増やしたのは、この成長が続くと考えているためだ」とフィリップスは言う。「会社の投資の大部分をインドネシア市場に振り向けている」

 フィリップスによると、同社はこれまでに数千万ドル投資しており、今年は投資額を増やすという。

 グループの売上高が320億ドルに上り、12万人の従業員を抱えるフィリップスは、インドネシア、フィリピン、ベトナムでの医療用品・家庭用ヘルスケア製品のシェア拡大を視野に入れ、300人近い陣容の地域本社をシンガポールに立ち上げた。

 スピットル氏によると、数十人のスタッフでスタートしたインドネシアでは、数百人の従業員を採用しており、今後数年間で従業員数を10倍に増やすという。同氏はこれ以上具体的な数字を挙げるのを拒んだ。


■インドネシアの民需にチャンス


 インドネシア政府のヘルスケア関連支出は年間予算のわずか2.2%にとどまっている。この水準はタイやベトナムなどの近隣諸国を大きく下回り、世界保健機関(WHO)が推奨する最低15%の国家予算の配分に遠く及ばない。

 助成金の不足は、心疾患やがんの罹患(りかん)率の上昇と相まって、民間部門にチャンスをもたらしている。

 フィリップスは今夏インドネシアで、これまでで最も重要なプロジェクトに参画した。インドネシア初となる専門のがん研究センターを備えた同国最大の病院に総額1億4000万ドルの医療機器を納めるプロジェクトの大半を受注したのだ。ジャカルタ市街地にある36階建てのシロアム病院は、インドネシア最大の不動産デベロッパー、リッポー・グループが建設した。フィリップスはインドネシアで、オーストラリアの病院大手ラムゼイと、ジャカルタのブンダ病院とも契約を結んだ。


■海外に向かう顧客を呼び込む


 リッポー・グループのモフタル・リアディ会長はフィナンシャル・タイムズの取材に対し、同社はフィリップスを優先サプライヤーに指定したと語っている。また、リッポーは全国の人口密集地に病院チェーンを建設するために15億ドル投資するという。既に7つの病院がオープンしており、さらに23件が計画中だ。目標は、今は海外に治療を求めるインドネシアの顧客を呼び込むことだという。

 「現在は、国内の医師が足りず、病院が十分にないという単純な理由から、60万人のインドネシアの患者が治療のために海外に行き、何十億ドルものカネを払っている」とリアディ会長。「ここにギャップがあり、人口が増加するにつれ、ギャップは大きくなっている。こうした状況はインドネシアにヘルスケアのシステムが足りないことをはっきり示している」

By Anthony Deutsch

(翻訳協力 JBpress)

(c) The Financial Times Limited 2011. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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米太陽電池、3社が相次ぎ破綻 中国の攻勢で

2011年09月05日 07時43分08秒 | ニュース
米太陽電池業界に逆風が吹き付けている。8月にはソリンドラ(カリフォルニア州)など3社が事実上、経営破綻したほか、米最大手ファーストソーラーの4~6月期は大幅減益となった。最大市場である欧州で販売が伸び悩んでいるほか、低価格を売りものにする中国企業の攻勢が強まっており、消耗戦の様相を呈している。

 ソリンドラはビルや商業施設に設置する円筒状の発電効率が高い太陽電池を生産していた企業。8月はエバーグリーンソーラー(マサチューセッツ州)と、半導体世界最大手、米インテルの出資先として知られるスペクトラワット(ニューヨーク州)も経営が行き詰まった。ファーストソーラーの4~6月期決算は売上高が前年同期比9%減の5億3277万ドル(約410億円)、純利益は同62%減の6113万ドルと減収減益だった。

 自然エネルギーの需要の高まりを背景に、太陽電池への需要はこれまで順調に拡大してきた。欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、2015年には世界の太陽電池の新規導入量が10年実績より4割強多い2393万キロワットまで増える見通し。ただ11年は10年比20%減の1333万キロワットを見込んでいる。




 欧州各国の政府は電力の固定価格買い取り制度などをテコに需要を喚起してきたが、ここへきて財政悪化を背景に相次いで補助を縮小しておりその影響が出た。主要市場である欧州の需要減速で太陽電池の価格が下落し、米国各社の業績を圧迫した。

 供給能力増強を進めてきた中国企業が欧州の減速などで米国市場に矛先を向けたことも、米企業の苦境を一段と深める結果となった。中国企業は米国で施工会社を拡大し広告も活発に行っている。米調査会社ソーラーバズによると、8月の太陽電池モジュール1ワット当たりの価格は、前年同月より23%低い2.84ドルまで下がっており、各社の収益の重荷になっている。

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政治は無能なのに経済最強な不思議な国ニッポン(海外メディアより)

2011年09月02日 07時50分59秒 | 経済
野田新首相就任は海外ではどのように受け止められているのでしょうか。

 象徴的だったのがこのシーンです、30日付け読売新聞記事から。
日本の首相交代へのコメント中、米報道官が苦笑
 【ワシントン=中島健太郎】民主党新代表に野田佳彦財務相が選ばれ、次期首相になることについて、米国務省のヌーランド報道官は29日の記者会見で、「日米同盟はどの首相の下でも着実に進展してきた。次の首相とも緊密な協力を継続していく」と語った。

 会見では、質問に答えようとした報道官が、米メディアの記者に「また同じコメントを読み上げることになった」と混ぜ返され、コメントを読み上げながら、笑いをこらえきれなくなる場面もあった。
(2011年8月30日10時21分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110830-OYT1T00277.htm
米国務省ヌーランド報道官が記者会見で、「日米同盟はどの首相の下でも着実に進展してきた。次の首相とも緊密な協力を継続していく」との定番コメントを記者から「また同じコメント」だと混ぜ返され、おもわずコメントを読み上げながら、笑いをこらえきれなくなったというわけです。
 我等が野田氏の知名度の低さもあるのでしょうが失敬な話ではあります、が5年間で6人目の日本国総理大臣であります、まあ笑われても仕方がありますまい。

 アメリカに限らず海外では「野田?だーれ?」("Noda? Who?")状態なのですが、どうもここにきて海外の日本に対する見方にある変化が見られてきたようです。
 今回は海外からコロコロ首相を変える「不思議な国ニッポン」はどう受け止められているのか、まとめてみたいと思います。
 ・・・
 韓国の朝鮮日報のコラムは「世界的な経済危機に強い日本」と題して「普段は日本を蔑んでいる世界の国々も、危機が起きると「やっぱり日本だ」という羨望のまなざしで見るようになる」と指摘しています。
【コラム】世界的な経済危機に強い日本(上)
http://www.chosunonline.com/news/20110828000023
【コラム】世界的な経済危機に強い日本(下)
http://www.chosunonline.com/news/20110828000024
記事は「無能な政治家たちが招いた長期間の低迷を意味する「ジャパニフィケーション(日本化)」という造語が生まれる一方、日本の現実はそれとは正反対」であるとします。
日本では奇妙なことに、世界的な金融危機が発生するたびに円高傾向がもたらされる。普段は日本を蔑んでいる世界の国々も、危機が起きると「やっぱり日本だ」という羨望のまなざしで見るようになる。格付け会社は今回「国家の債務が国内総生産(GDP)の200%を超え、先進国で最悪の財政赤字となっている」との理由で、日本の国債の格付けを引き下げた。しかし、日本が米国やイギリスよりも危機的な状況にあると考える専門家はいない。無能な政治家たちが招いた長期間の低迷を意味する「ジャパニフィケーション(日本化)」という造語が生まれる一方、日本の現実はそれとは正反対に向かっている。
日本が世界的な経済危機に強いのはなぜか、記事は「貯蓄の力」と「債権大国」、そして「製造業の強さ」を指摘しています。
世界的な危機が発生するたび、日本円が「安全な資産」として急浮上し、円高傾向につながるという「逆説」が繰り返されるのはなぜだろうか。その理由として、まずは「貯蓄の力」が挙げられる。日本国内の資金に占める国債の割合は95%に達し、家計金融資産は1400兆円を超える。外国資本が国債を売れば、それだけで混乱に陥る米国とは異なり、日本は海外に資金を貸し付ける債権大国だ。高齢者の増加により、平均貯蓄率は下がったというが、30‐40代の貯蓄率はむしろ上昇傾向にある。
 その上、製造業は依然として強さを見せている。米国アップル社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」のような世界的ヒット商品こそは誕生していないが、日本企業はその部品を生産している。「iPhone4」の部品生産国別の付加価値率(売上高に占める付加価値の割合)を調査した結果、日本が34%で1位を占めた。
「毎年首相が交代するほど日本の政治家たちは無能」だが、「蓄積してきた技術や貯蓄が下支え」になっているから日本は経済危機に強いのだとまとめています。
毎年首相が交代するほど日本の政治家たちは無能だが、日本が世界的な経済危機に強いのは、1970‐80年代に蓄積してきた技術や貯蓄が下支えになっているからだ。
・・・
 同様な分析は中国メディアでも取り上げられているようです。

 日本経済には「失われた20年」は存在しない、日本はこの20年で「海外資産は40倍、海外純資産は60倍も増加」なおかつ「世界最大の債権国」になったのだと、日本をあなどるなとの中国商務部研究院の研究員のレポートが中国紙・環球時報(電子版)に掲載されました。
日本問題専門家が語る、「誰も知らない1.8個分の日本」―中国紙
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=53909
「日本経済は20年間、成長が止まり低迷しているというものだが、実はこれは全くの誤解である」とした上で、こう続きます。
根本から言えば、日本経済には「失われた20年」は存在しない。1985年のプラザ合意後、円は2.4倍も切り上がり、大量の資金が株や不動産、土地取引に流れ込んだ。そして、政府の支持と指導の下、これらの資金は国内から海外へと移動していったのである。日本は1987年末、国内の株や不動産取引への融資を取りやめたが、海外では無利息で融資を続けた。
その結果、この20年、日本の海外における経済力は国内の1.8倍にも膨れ上がった。海外資産は40倍、海外純資産は60倍も増加。世界中のすべての市場、業界で日本マネーを見ることができる。こうした状況の下、日本国内の経済成長も緩慢ではあるが、20年間ほとんどマイナス成長が見られなかった。これだけですでに奇跡だといえる。
この20年は日本にとって「失われた20年」ではなかったのだ。むしろ、「海外で高度成長を遂げた20年」といって良い。巷では良く、「日本は海外に『1.8個分の日本』を持っている」という例えが用いられる。海外にそれだけの資産を持っているという意味だ。それに、日本は世界最大の債権国。世界の95パーセントの債権を日本が握っている。

今回、日本国債が格下げになったが、日本の経済成長に具体的な影響は現れていない。世界最大の債権国が国債を返済する能力がないなんて、全くのナンセンスである。「1.8個分の日本」と言われるだけあり、日本には長年積み上げてきた財産がある。これは日本のグローバル化戦略にとってかなり有利なこと。決して軽く見てはならない。
今後の経済のグローバル化で一番得をするのは日本だろうと結ばれています。
経済のグローバル化で本当に得をするのは日本だ。多くの国がグローバル化の波を感じ始めたばかりなのに対し、日本はすでにその準備が整っているのである。
別の中国のジャーナリストは「なぜ日本は首相がコロコロ代わっても安定が保たれているのか?」分析をしています。
<中国人が見た日本>なぜ日本は首相がコロコロ代わっても安定が保たれているのか?
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=53920
「驚くべきことに日本は「首相がコロコロ代わる」という頑固な病を露呈したにも関わらず、社会の安定は全く変わらない」との指摘から始まります。
菅直人首相が26日、正式に退陣を表明、新しい首相が30日に誕生する。この10年、日本の首相が走馬灯のように頻繁に代わることはもはや日常茶飯事になっている。誰もが認める強硬派、小泉純一郎氏の在任5年を除き、他はみな短命に終わった。ところが、驚くべきことに日本は「首相がコロコロ代わる」という頑固な病を露呈したにも関わらず、社会の安定は全く変わらない。政府の運営にもさほど大きな影響はないようである。
そして「日本は経済、文化、科学技術で抜きんでており、世界中から注目を浴びているが、政治だけはどうも「しょぼい」」と皮肉ります。
第2次世界大戦以降、先進国の中でリーダーの任期が最も短いのは日本だ。首相の平均任期は26カ月。これに対し、ドイツは88カ月だ。戦後、日本は少なくとも31回首相が代わった。だが、米国、英国、フランス、ドイツは少ない国で8回、多い国でも13回に過ぎない。日本は経済、文化、科学技術で抜きんでており、世界中から注目を浴びているが、政治だけはどうも「しょぼい」という感覚が拭えない。
日本は「無人運転」に近いが、「制度が成熟した国はたとえ「無人運転」でも、社会の秩序は保たれる」のだと指摘します。
日本はなぜ首相がこれほど頻繁に代わっても、経済や社会に大きな影響がないのか。それは、体制が国を治めているからで、人が国を治めているわけではないからだ。重大な政策や方針はほぼ固まっており、合理的な制度や健全な政治体制も整っている。制度が成熟した国はたとえ「無人運転」でも、社会の秩序は保たれるのである。
「日本における首相の役割は国の指導部のスポークスマン程度」であり「誰が首相になっても根本は変わらない。例え政策が変わったとしても、国民の生活は安定が保たれる」とまとめています。
「菊と刀」という本は、日本人が最も重視しているのは「各人が自分にふさわしい位置を占めること」だと紹介している。日本にはきちんとした公務員制度があり、公務員の意識も高い。社会ではそれぞれが自らの役割をこなすことに尽力し、誰が首相になってもあまり気にしない。とにかく自分の仕事だけはきっちりやるという考えが定着している。

日本における首相の役割は国の指導部のスポークスマン程度だろう。絶対的な権威はなく、1人に権力が集中することもない。具体的なことは各地方自治体が進めており、誰が首相になっても根本は変わらない。例え政策が変わったとしても、国民の生活は安定が保たれる。
・・・
 最後に英国フィナンシャル・タイムズ紙の30日付けの社説です。
[FT]日本の地味な新首相(社説)
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C9381959FE1E2E2E1E08DE1E2E2EAE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2
社説は日本の首相の選び方は「不透明なプロセスが常態化」していると批判します。
過去6人の首相のうち、総選挙で選ばれたといえるのは、民主党の哀れな指導者、鳩山由紀夫氏だけだ。残る5人は皆、党内の体制刷新で首相になった。この点を浮き彫りにするかのように、今回、国民の人気が圧倒的に高かった前原誠司氏は、党内の選挙では3位につけるのがやっとだった。
 議院内閣制を敷くほかの国でも、首相は常に国民の手で選ばれるわけではない。英国では2007年に、労働党の議員の投票によってゴードン・ブラウン氏がトニー・ブレア氏の後継首相になった。だが日本では、そうした不透明なプロセスが常態化している。これは民主主義と説明責任を害する行為だ。
で、責任の一端は日本国民にあると指摘します。
責任の一端は国民にある。世論調査では、各首相は国民から高い支持を得てスタートを切る。だが数カ月もすると、国民は飽きてしまい、与党は選挙の重荷と見なすようになった指導者をお払い箱にしなければならないと感じるようになる。
社説は「国民自身にも忍耐力が必要」だと指摘した上で、「国は今もかなりうまく運営されているが、戦略的には漂流している」と続きます。
もし国民が指導者に成熟さを求めるのであれば、国民自身がもっと忍耐力を身につけなければならない。政党は調査方法が疑わしいとされる世論調査の気まぐれな動きを無視すべきで、物事を達成できるだけの時間を指導者に与える必要がある。
 国民の信任の有無にかかわらず、近年の日本の首相はパッとしなかった。プロが集まる強力な官僚機構のおかげで、国は今もかなりうまく運営されているが、戦略的には漂流している。津波の後、どう復興するのか、債務をどう管理するのか、デフレをいかに根絶するのか、中国にどう対処するのかといった大きな問題は、先送りされたり、ごまかされたりしてきた。
しかしこの社説も結びでどんなに政治が混乱していても「日本は悲観論者の最悪の予想を覆すくらいに安定している」とし、ただ、「日本がもっとうまくやっていくためには、政治の安定がどうしても必要」なのだと結んでいます。
だが、悲観論者は落胆することになるだろう。日本は悲観論者の最悪の予想を覆すくらいに安定している。しかし、それは政治のおかげではなく、政治の茶番劇にもかかわらず、そうした状況が保たれているのだ。日本がもっとうまくやっていくためには、政治の安定がどうしても必要だ。
・・・
 五つほど海外の記事を紹介しましたが、これらの論説に通底しているのは、日本の政治はどうしようもないが日本社会と日本経済は極めて安定しているのは、国民の貯蓄や技術の蓄積、債権大国、プロが集まる強力な官僚機構、など構造的にしっかりしており、システム(制度)が成熟しているからだ、という視点であります。
 うむ、興味深いですね。
 日本の政治は「無人運転」である、と。
 でも首相がコロコロ変わろうがそんなことは織り込み済みで、経済も社会も安定していて世界的経済危機にも最強である、と。
 
 どうです、読者のみなさん、この海外の論調は私たちに少しの慰めを与えてくれるではありませんか。

 どんなに民主党政権が体たらくであっても、なあに日本は大丈夫だと海外から励まされているようです。
 残念ながら日本の政治家は海外からあまり期待されていないようですが、もし政治家がしっかりすれば国家としての日本はよりさらに一目置かれることになりましょう。
 というわけで、野田さん、がんばれ。
 党内融和なんて小さい、小さい(苦笑)。
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