ズビズバのロシア機に手こずって、英国の輸送船団護衛船コルベット(北大西洋のボーダーコリーとでもいいましょうか)に逃避しております。
1/144なのですが、窓はただの穴で窓ガラスのパーツがありません。
この舷窓のモールドは段付きで成形されてます。
孔径は1.6mmでザグリが2mmです。
素通しは嫌なので、これにガラスを入れたいと思いました。
1.6mmというクリアの丸棒は売ってないので、高透明UV硬化樹脂で作ってみました。
t1.8の真鍮版に1.6mmで孔を明け、金型にします。
何でもやってみると、勉強になりますな。
そんなにきれいに流れてくれません。針で突いてエアを抜きました。
透明度はかなりいい感じ。
紫外線を当てるとすぐに硬化。
一発でうまくいくはずがない。
オーバーフロー気味に盛っても、硬化時にヒケました。
肉痩せはしないと思っていたのですが。見落としたエアが残ってたのかな。
なので、深さ1.8mmを1回の注型で硬化させると、えくぼを解消できませんでした。
金型から外したガラスのプラグ。
船体の孔を1.6mmでさらい直して、一番できの良いやつを嵌めてみましたが、何か今ひとつ。
まず、穴の周囲のザグリの成型精度が悪く、バリっぽいので、ガラスを面一にしてもカッコ良くない。
カーブした船体の表面に対して、すべての孔を垂直に成型しようとすると、カーブした部分のピンが金型を開くとき引っ掛かって開きません。
金型が開く方向に平行じゃないピンは、アンダーカットと言って抜けないんです。(除くスライド駒)
それを解消して抜くために、端にいくほど孔が斜め(真横)になります。
その斜めの孔にガラスプラグを挿すと、そのまま窓の端面が斜めになってしまいます。
おかしいので、斜めに明いた孔を、面に対して垂直に修正しようとすると、1.6mmでは取り切れない。
なので、ひと回り大きい2mmで孔のザグリまで含めて一重の孔に明け直しました。
そうすると、買ってきた2mmのクリア丸棒がそのまま使えるので、UV樹脂はボツになりました。
丸棒にするか、直接穴にUV樹脂を流すか。
発売が遅れていた1/72の魚雷艇が、出張で不在の晩に届いていました。
あんなに巨大なカートンに入れて送ってこなくてもいいのに。
縮尺が倍ですが、同じ位の大きさです。
捕鯨船ベースで、ポチャッとした、どこかユーモラスな形状のコルベットとは違って、どう猛なハンターのようですな。
ウルフパックといえば本家はUボートですが、これも北洋の白いオオカミって感じがします。
コルベットは、相手が鈍ガメのUボートであれば、この船型デザインで速度も遅くて十分という合理性の産物です。
魚雷艇S-BOOTのような、早い船との対戦は想定してないでしょうね。
S-BOOTのSは、schnell=Quickですって。
ファーストじゃなくてね。早いんですね。
まあ、スシボリから逃避して、こんな回り道してたって記録です。
実験っぽくておもしろかったけど。