● 第一印象における直感的判断
人間の情報処理は重層的になっています。基盤にあるのは、「無意識で、自動的で、迅速な処理を行なうルート。それに重なるようにして、「意識的で、制御的で、時間をかけた」処理を行うルートが並行しています。前者を裏道の処理、後者を表道の処理とゴールマンは呼んでいます。
第一印象での人物情報の処理のほとんどは、裏道で行われます。そこでの処理結果は、一つは、もっぱらその人物に対する好悪として、さらに、その自分人物についてのおおまかな印象として、表道での処理を制約します。
たとえば、好ましそうな人だから、もう少し人物を知りたいとか、あまり人が良さそうではないので、深入りは止めておこうとなります。
なお、裏道処理による第一印象の制約が強すぎると、その人物に対する思い込みが発生して、表道の情報処理をゆがめることになります。「こんなに魅力的な人が悪い人のはずがない」となってしまい、詐欺の餌食になってしまいます。