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●思い出の教科書

2008-12-19 | 認知心理学
思い出の教科書

海保博之 (筑波大学人間総合科学研究科(心理学専攻)教授)

 大学生だったのは44年前。その時使った教科書を思い出してみた。思い出せたのは、高木貞治編『心理学』(1956年、東大出版会)と岩原信九郎著『教育と心理のための推計学』(1957年、日本文化科学社)の2冊だけであった。
 なぜこの2冊の教科書が思い出せたのかというと、1つには、要するによく使いこんだからである。授業の際はもとより、大学院入試の受験勉強のとき、教員になってからも、授業の下調べや原稿書きなどで折に触れて参照してきた。まさに座右の書であった。思い出せたもう1つの理由は、やはり、その教科書を使った先生(いずれも故人)の思い出があるからである。
 高木・心理学を教科書に使ったのは、小笠原慈英先生。教科書そのものにまつわる思い出はないが、授業の随所で自作のデモ教材を使って授業の工夫をされていたのを思い出す。(なお、東大出版会ニュース(NO.75)によると、高木・心理学の改訂三版は小笠原先生が編者だったらしい。)
 一方、岩原先生は、東京教育大学においでになってまもなくの頃で、当然、自著を使われてのアメリカン・スタイルの熱烈講義であった。宿題、クイズ、黒板での問題解きなどをまじえての授業、さらに厳格な試験は、当時の大学の授業では新鮮であった。大学ではみずから勉強した授業もいくつかあるが、岩原・統計学の授業は、唯一、勉強を「させられた」授業だった。余談だが、家内は、大学の成績で唯一「C」をつけられたのが岩原先生の統計学だけだったといって、今でも悔しがっている。
 両方の教科書ともさすがに最近は手にとったことはなかった。あらためて研究室の書棚から引き出してみると、古色蒼然としている。中を開くと、下線があちこちに引かれてあり、書き込みもある。使い込んだことがよくわかる。
(注)高木・心理学は鹿取・杉本編の改訂版として、また、岩原・推計学はほぼ初版のままの形で、共に今でも脈々と使われ続けている。

●ほめ言葉は、なぜ、人を動かすのか

2008-12-19 | 教育
●ほめ言葉は、なぜ、人を動かすのか
 言葉は、人を動かすだけではない。自分の心や行動さえも動かす。それほど、言葉は人にとって強力なのである。なぜなのか。
 言語相対性仮説というのが、古くから知られている。言葉が環境の認識と思考を規定しているというものである。四季折々の変化に富んだ日本、といった至極当たり前の表現。これも、言葉があってこそ、変化の微妙な認識そして思考ができるのだと言う。(1)

文献1Whorf,B。I. 1956 Thought and reality.  In J,B,Carroll(Ed,)Selected  Writings f Beanzamin Lee Whaおf, Cambridge,MA,MIT press(池上嘉彦訳 1978 言語、思考・現実、弘文堂)

 たぶんこれと同じことが、人の気持ちの中で、あるいは振る舞いの中で起こっているのであろう。つまり、言葉があっての感情、言葉があっての振り舞いということである。
 もちろん、言葉がまだおぼつかない乳幼児にも感情があり振る舞いがある。それぞれが、独自の発達のルートをたどっているのだが、言葉を獲得するにつれて、感情も振る舞いもその世界を格段に分化し豊かになっていく。

独創性

2008-12-19 | 教育
「興味がない!」という言葉を軽々しく使ってはいけない。それは、
単に「知らないから興味がない」だけのことのほうが多いからだ

独創は組み合わせにある。独創は”あいだ”にある。Aだけではあ
りきたりかもしれない。しかしA×Bならばありきたり度は薄まる。
A×B×Cならばもっとそれは薄まる。あなたは何と何を組み合わ
せるのか。あなたはどういう方法でそれらを組み合わせるのか



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『続・働く理由 99の至言に学ぶジンセイ論。』

(土井ブログより)

膨れ上がる心理研究者の数

2008-12-19 | 認知心理学
1977年にイギリス心理学会の会員は6000人ちょっとだった。現在では3万5000人を超えている。アメリカ心理学会はあまりにも規模が大きくなったので、会員のなかには学会が何か意味ある行動をするには巨大すぎるのではないかと考える人もいる。学会の大会を開くには、近くに大空港がある街を選ばなければならない。オーストリア、南アフリカ、日本でも、何万人もの心理学者が分析をし、仮説を立てている。ルーマニアのような辺鄙な小国でさえ――私にはルーマニア人の血が流れているから、こんな表現も許されるだろう――正式な資格をもつ心理学者が何千人もいる。
(「心理学者、心理学を語る」新曜社刊より)

◆災害心理学

2008-12-19 | Weblog
◆災害心理学(accident psychology)〔1996年版 心理学〕
災害意識、災害防止、災害後の心的ケアなどを研究する分野。新しい分野ではないが、大規模災害やテロの発生のたびに、この分野への関心が高まる。リスク(危険)をどのように考えているか(認知)やリスク時にどのように行動するか、またどのような対策をとるべきか(リスク管理)といった問題も、これに含まれる。