2004年版 現代用語の基礎知識
●中断効果(Zeigarnik effect)
ドラマなどで最高に盛り上がってきたところで、CMを入れたり、次回のお楽しみという仕掛けがよく使われる。これは、途中であえて何かを中断することによって、中断後まで緊張や記憶を持続しておくためである。この現象を発見したツアイガルニックにちなんだ名称が冠されて、心理学ではよく知られている。過剰に使われると緊張が解けないためストレスが増すが、仕事の連続性を確保したいようなときには有効である。
●記憶情報の書き換え(editing of memory)
過去の記憶を思い出すときに行なわれる記憶情報は微妙に編集・歪曲されることがしばしばあるが、D.シャクターによると、それには5種類あるとされる。「調和的編集」は、現在の自分の考えや感情と調和するように思い出すこと。「変化編集」は、自分が変化した方向にふさわしいように思い出すこと。「後智恵編集」は、結果がわってしまった今にふさわしいように過去を思い出すこと。「利己的編集」は、自分に都合のいいように思い出すこと。「ステレオタイプ編集」は、世間一般の考えに合わせて思い出すこと。