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人間中心設計推進機

2008-06-27 | 認知心理学
HCD-Net 発足記念フォーラム:講演(3) 海保博之氏

機構の発足、おめでとうございます。学会設立ばやりの昨今、「NPO法人」組織は斬新です。とらわれのない自由闊達な活動を祈念しております。


さて、還暦を過ぎると昔話が多くなります。その昔話から。


1987年に「ユーザ・読み手の心をつかむマニュアルの書き方」(加藤隆、原田悦子、堀啓造)(共立出版)という本を出しました。


この本のタイトル「ユーザ・読み手の心をつかむ」はすばらしいタイトルだと思いませんか。共立出版の編集部の方がつけてくれました。当時、ワープロが一般に普及しはじめた時期です。素人ユーザにいかにこの高度な技術の使い方を伝えたらよいか、メーカーの皆様、大変なご苦労をされていたようです。


そんな時のこのタイトルの本。売れに売れました。といっても、ミリオンセラーならぬ、テンサウザンドセラーですが。その本のなかで訴えたことは、「ぐうたら」で「To err is human」といった、いわば低規格人間像をベースにしてマニュアルを設計するとしたらどういうことに配慮すべきかということでした。


そして、またまた昔話です。


1991年に黒須正明先生、原田悦子先生と一緒に「認知的インタフェース;コンピュータとの知的つきあい方」(新曜社)を出させていただき、これもいまだ、版を重ねております。韓国語にも翻訳されました。その本のあとがきで、本書刊行のひそかな願いとして3つ挙げました。参考までに。


その1.インタフェース設計に携わっている技術者、デザイナーの方々に、ユーザの心理を知ってもらいたい、ということ


その2.心理学の研究者も実験室、研究室の外に目を向けてほしいこと。これほど、世の中から期待されていながら、心理研究者が動かないのは、横着といってもよいかもしれません。和田秀樹氏の言葉を紹介しておきます。「日本ではまだ、心理学は“ただの学問”という扱いしかされていない」


その3.ユーザにも賢くなってほしいこと。これは改善されました。高校レベルで「情報」が一つの教科になりました。画期的なことです。



さて最後に、機構にお願いしたいこと。いろいろありますが、一つだけ。それは、いろいろのところにどんどん出撃して活動していただきたいということです。10年遅れている領域がまだまだあちこちにあります。


NPO法人「人間中心設計推進機構」の多彩な活動を心から祈念して、私の話を終えたいと思います。



朝倉心理学講座 

2008-06-27 | 心理学辞典
朝倉心理学講座 全巻コメント
9巻 臨床心理学  編集:桑原知子(京都大学助教授)
・現代における臨床心理学の位置と意義を,その基礎(人格・発達・アセスメント)・対象(神経症圏・精神病圏・心身症・境界例・実存的課題)・アプローチ(精神分析・ユング派・行動療法・ロジャーズ派)・応用(教育・医療・司法)の諸側面から探る.
・臨床心理学の魅力,こわさ,おもしろさ,うさんくささ,ふしぎさ,に触れる.「臨床心理学とは何か,という問いを携えての『旅のガイドブック』」
・臨床心理学の位置を,その歴史・理論・現場の多様な側面からさぐる「小事典」.
○心のブレークダウンのなかに垣間見る心の実像
○心の時代の救世主

「振り込め詐欺、オレオレ詐欺、架空請求書詐欺の心の操り術を知る

2008-06-27 | 安全、安心、

●架空請求書詐欺、オレオレ詐欺が多発しています。

そんな詐欺の被害者にならないように、その手口を心理学的に解剖してみたいと思います。



●詐欺師の多くは、人の心をあやつって金をもうける、「マインド・ビジネス」の悪質化したものです。

架空請求書詐欺もオレオレ詐欺も、「誤った思い込み世界」への誘導技術がポイントになったものです。



●まず、「架空請求書詐欺」です。

正当な権威を装って、請求書を送りつけて、手ごろの額を振り込ませてしまう詐欺です。



道具立ての一つは、法律用語と官公庁まがいの請求者による「権威づけ」です。弁護士事務所や債権回収センターといった類いの名称を使います。



もう一つの道具立ては、誰もが一瞬その正当性を信じてしまうような請求案件のでっち上げとです。インテーネットやサイト使用料金などです。



人間は権威には弱いところがあります。特に法律違反をしていなくとも、警官の姿をみると、どきっとします。あの心理です。

自分の側にほんのちょっとでも弱味があるときは、権威の命ずるまままに動かされてしまいます。



●次は、もっぱら高齢者を狙った「オレオレ詐欺」です。

オレオレ詐欺も3つの道具立てを使います。



一つは電話。

電話はコミュニケーションの道具としては性能があまりよくありません。音そのものがよくありません。おまけに顔を見えません。その性能の悪さが嘘を見抜けなくさせています。



2つ目は、家族のトラブルのでっち上げです。

特に高齢者は、家族への思いは強いものがありますから、「家族がトラブルに巻き込まれた」との電話は、高齢者を一気に頭真っ白、目が点のパニック状態に陥れ、まともに頭が働かないようにして、嘘の世界を真実と思い込ませてしまいます。



3つ目は、時間切迫です、

払い込みがおくれると、事態がもっと悪くなると言って、急がせます。思い込みの世界から脱出できないようにする道具立てです。



思い込ませてしまえば、後は思いのままに高齢者を動かすことができます。郵便局の人が「オレオレ詐欺ではありませんか?」と聞いてもだめ、もっと悲劇的なのは、二度もお金を払い込んでしまう人さえいます。



●さて、対策です

一つは、「無視すること」

へたに相手に連絡をとると、着信記録が相手に残ってしまいます。それが次の被害をもたらします。

また、相手の語りの巧さに負けてしまします。



もう一つは、「人に相談すること」

思い込みは、自分の力だけでそこから抜け出るのはかなりしんどいところがあります。自分の思いを人に話すと、思い込みから抜け出るきっかけがみつかります。



即断即決

2008-06-27 | 教育
111112222233333444445555566666 30文字/1行 04/5/8海保

事例 即断即決でやってきたが、ある時、とんでもない失敗をしてしまった。
  イラスト案
会議で議長をつとめている。「よし、それでいこう」と一決。 会議メンバーの菊地さんは手を挙げて何か言おうとしている。田中さんは首をかしげ、山田さんは浮かない顔をしている。

「解説」<<イラストの下へ  
仕事の現場では、物事がいつもあらかじめ想定したシナリオ通りに事が運ぶというわけにはいきません。その時その場で、迅速かつ適切な判断と決定が求められることがあります。したがって、そんなときに、即断即決ができるのは、リーダーとして大事な能力の一つになります。  

しかし、即断即決には誤るリスク(危険)が常につきまといます。  
現場で発生する判断材料は種々雑多で情報過剰の状態になります。そんなときには、自分が持っている既有知識で解釈できる手がかりだけにしか目を向けませんから、妥当な状況認識ができにくいということが、まずあります。  

さらに、すばやい結論が要求されますので、あらゆる選択枝を考慮に入れてというわけにはいきませんので、妥当な解決策を見逃してしまう危険性もあります。

「教訓」
「即断即決によるリスクを克服するには、安全ネットを用意しておく」  
判断や決断には、2種類があります。  一つは、論理的(計算的)判断です。数学の問題をじっくり解くようなときの判断が、これです。  

もう一つが、ヒューリスティック(heuristic;とりあえず判断)と呼ばれているもので、その多くは体験的に身につけた思考です。即断即決のときの判断は、もっぱらこれです。  

ヒューリスティックは直感的ですので、どうしても、「その時」「その場」、そして、「その人」によって、判断の質が左右されてしまいます。最悪の場合、とんでもない思い込みエラーをしてしまうこともありえます。  そこで、その判断が事故につながるようなところでは、多様なチェックの網を用意しておく必要があります。そのいくつか。  
・無理をしないで、時には、エポケー(判断中止)もしてみ  る  
・わけがわからない事態にならないように常に知識を豊富に  しておく  
・周囲からの遠慮のない意見や判断がでるようにしておく

チェック「あなたの即断即決力は?」******<<下へ横書きで
1)直感的判断に頼ることが多い( )
2)理詰めで考えるのは嫌い( )
3)判断に迷うことはあまりない( )
4)人の意見はあまり参考にしない( )
5)後から後悔するようなことはあまりない( )

*チェックが5コ以上なら、即断即決力が高い方です。 *********62 本文 24行

どうした? アクセス数急落

2008-06-27 | 心の体験的日記
日付 閲覧数 訪問者数 ランキング
2008.06.26(木) 844 PV 253 IP - 位 / 1045126ブログ
2008.06.25(水) 1149 PV 380 IP 990 位 / 1044512ブログ
2008.06.24(火) 1201 PV 344 IP - 位 / 1043845ブログ

ひさびさの200台
更新はきちんとしているにもかかわらず、
閲覧数も急落

なにかの悪い兆しか?

会話の心理学

2008-06-26 | わかりやすい表現
頭を柔らかくする(18) 芳林社MIT  連載

 海保

会話ーーー人から知をもらう


ポイント**************

1)会話を情報収集、触発、知識の転移に使う

2)知的共感性、傾聴も大事

3)知的会話のできる人を数人用意する

********************


●会話には多彩な働きがある

 人と話すのが好きな人も嫌いな人もいるが、会話なしでは社会生活はできない。

 その会話にも、対人関係を円滑するための社交的な機能以外にも、さらに2つの機能がある。もっとも、日常の会話の中ではそれらは、混然一体となっていることのほうが多いのだが。

 その一つは、癒しとしての会話である。

 一人で抱え込んでいた悩みも、誰かに聞いてもらうとすっきりする(カタルシス効果)。

あるいは、気のおけない友人と話していると元気がでてくるなどなど。これを体系的にやるのが、カウンセリングである。

 もう一つが、会話の知的機能である。

そして、これが今回取り上げたい機能である。


●会話の知的機能とは

 会話そのものが、言葉という知的道具を使うのであるから、きわめて知的なのだが、さらに、会話の中身が、知的活動を支援したり、活発にさせたりする機能を果たしている。これが会話の知的機能である。

 その一つが会話からの情報収集である。

 形式的かつ体系的な情報は本や雑誌などから得られるが、「生きた情報」は、会話からしか得られない。ここで、「生きた情報」とは、信頼性は高くはないが、即時性(5W1H)があり、その人の評価があるような情報である。噂話がその典型である。

 会話の知的機能の2つ目は、自分の考えを話したり、聞いてもらうことで、そのおもしろさや新規性をチェックしてもらったり、それによってさらに新しい着想を得る、いわば、知的触発機能である。

 問題意識があれば、人からのほんの一言、あるいはうなずきでも知的に触発される。それを会話の中でやろうというわけである。

 3つは、会話によって、知識を相手に移転する機能である。

 知識を共有できる人が自分の回りにどれだけいるかは、自分の思考を高度化するためにも必須である。与えるものが大きければ、得られるものも大きい。


●会話の知的機能を活発にする

 インタネットのチャットを編集して本にしてしまった人がいる。ここまでやれば、会話の知的機能きわまれリであるが、もっと日常的な場面では、どのようなことに留意すれば良いのであろうか。

 会話は相手あってのものということで、まずは、相手の知的世界に思いをはせられる、知的共感性が大事になる。クイズであなたのそれをチェックしてみてほしい。

 さらに、話すことよりも、相手の話に耳を傾けられる(傾聴する)くらいのほうが、会話がはずむし、知的にも触発されることが多い。

 その上で、自分の考えやアイディアを気軽に聞いてくれる人を相手を数人用意しておく。いつも同じ人では会話もはずまない。あまり多すぎても深い会話にならない。

 

****本文60行


図解「会話の好きな人、嫌いな人」****

 図は、科学技術政策研究所(当時)が大学進学志望者3879人に、

 「人付き合いが好きか」

 「文章の読み書きが好きか」の自己評価させた結果である。


図 別添


「解説」

 「人付き合い」には会話は必須。理学志望、工学志望のいずれも、両方の項目に嫌いと答えている。いずれも好きと答えているのは、教育志望者であったのも、うなずける。

 理系と文系(第14回参照)の違いの一端として、付き合い好き、すなわち会話好きかどうかが、このデータからもうかがえる。根底には、ファジーなものへの好みがあるようにも思える。つまり、会話や文章表現のような、どう展開するかわからないものが理系人間はあまり好きではないのかもしれない。

 なお、女性の会話能力は男性のそれとくれべるとはるかに高い。


クイズ「会話には知的共感性が大事」***

 次の項目について、自分に最もよく当てはまるとき「4」を、当てはまららないとき「1」の4段階のいずれかで答えてみてほしい。


( )他の人たちの立場に立って、物事を考えることができる

( )何かを決定するときには、自分と反対の意見をもつ人たちの立場に立って考えて   みる

( )友達をよく理解するために、彼らの立場になって考えようとする

( )自分の判断が正しいと思うときでも、他の人たちの意見を聞く

( )どんな問題にも対立する二つの見方(意見)があると思うので、その両方を考慮   するように努める

( )ある人に気分を悪くされても、その人の立場になってみようとする

( )人を批判する前に、もし自分がその人であったならば、どう思うであろうかと考   えるようにしている


「解説」

 桜井茂男氏が作成した、知的共感性を測る尺度である。大学生の平均は20点であるが、あなたの得点はどれくらいであろうか。知的共感性は会話を円滑にする基盤であるし、また、会話することによって養われる。



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ヒラリーとオバマ

2008-06-26 | 心の体験的日記
しかしこの過程では「ヒラリーが女性だから」という要因はふしぎなほど議論の対象にならず、逆に同候補の女性らしからぬ対決調の姿勢がオバマ候補の癒やし風の柔らかな態度の魅力を急速に拡大していったともいえる

(gooニュースより)

***
ヒラリーが負けるとは思っていなかった
でも、このコメント、
おもしろい

それにしても、オバマおそるべし。
アメリカのすごさを体現している。
ヒラリーからオバマ応援に乗り換えます。

今日の箴言、名言集

2008-06-26 | 認知心理学
今日の箴言、名言集 03/10/3「内観は心の断層写真のようなもの」
「あれこれ考えるうちに、直感的判断が後退していく。すると、どこかで聞きかじった決まり文句や理論が突然重要に思えてきたり、社会的に望ましいと見なされているルールを思い出してしまうのである。」(R。デーゲン(赤根洋子訳)「フロイト先生のウソ」2000 文春文庫)

アクセス数、回復せず

2008-06-25 | Weblog
2008.06.24(火) 1201 PV 344 IP - 位 / 1043845ブログ
2008.06.23(月) 1261 PV 379 IP - 位 / 1043166ブログ
2008.06.22(日) 1034 PV 296 IP - 位 / 1042513ブログ
2008.06.21(土) 1593 PV 327 IP - 位 / 1041785ブログ
2008.06.20(金) 1097 PV 398 IP 959 位 / 1041145ブログ
2008.06.19(木) 1415 PV 414 IP 899 位 / 1040521ブログ
2008.06.18(水) 1231 PV 476 IP

週明けの回復期待も、むなしく、300台で低迷

でもでも 愛読感謝です

プレゼン

2008-06-25 | 心の体験的日記
常に聴衆に顔を向ける

スライドによるプレゼンテーションは、発表者が、メッセージを聴衆の記憶に残すための補助ツールとして使った場合に最も効果を発揮する。発表者が楽をするために使ったのでは、メッセージは聴衆に伝わらない。

発表者の背中を見たいと思う人はいないし、スライドに表示された重要ポイントの羅列が読み上げられるところを見たいと思う人もいない。こういうことをすると、発表者が手を抜いているように見え、メッセージに込められた感情が薄らいでしまう。

(gooニュースより)
**********
パワーポイントが出現してから、
講演者も含めて
全員が画面を眺めるようなスタイルが定着してしまった
講演者が隠れてしまうのである
これなら、あえて、講演にする必要はない
スライド解説の原稿ですむ

講演会場にいくと、演題がわき
スクリーンが真ん中
というセッティングが一般的

自分はあえて、演台から外に出て話すようにしている
そうなると演題の向きをかえる必要がある
これを事前にそうしてくださいというと
相手はひどく混乱するので、
会場にいってから自分でするようにしている。