コラム「数学の学習法についての包括的な指針」
以下に挙げる指針は、福島県立原町高校教諭・長谷勝幸氏が筆者の指導で書き上げた修士論文(筑波大学教育研究科提出)
「高校数学における学習スキルと信念・意欲と学業成績との関係」
からのものです。氏の許可を得ましたので、やや長くなりますが、引用してみました。
元々は、数学の学習法のチェックリストとして作られたものですが、ここでは、それを指針として表現し直し、さらに部分的な変更を加えてみました。
1)数学の知識習得のための指針
「習熟」
・似た問題をいくつか解く。 ・ある問題の解き方をわかったならば,関係する応用問題を解くようにしてい る。 ・できるだけ多くの問題を解く。 ・「解けない」問題は,後でもう一度考えてみる。 ・公式の使い方を問題を解きながら覚える。 ・わかる問題でも解いてみる。
「理解」
・解答を読むとき,「なぜその解き方が出てきたか」を理解しようとする。 ・解答を読むとき,「解答のところどころで何をやっているのか」を考える。 ・問題の内容や解き方についてイメージを浮かべる。 ・問題の解き方を「自分なりの言葉」でまとめる。 ・公式,定理の証明を理解しようとする。 ・記号や式の意味を理解しようとする。
「まとめ方」
・問題を解いた後で,何を学んだか振り返る。 ・章や節の「ポイントは何か」を考える。 ・同じような問題を学習しているとき,解き方の違いに注意する。 ・同じような問題を何題か解いたとき,それらに共通なことは何かを考える。 ・以前自分が覚えた内容と今勉強している内容との間にどんな関係があるのかを考える。
「探求」
・問題を解いたとき,先生や友達に解き方を説明できるくらいにしようとする。 ・解き終えたとき,もっと良い方法がないか考える。 ・解けなくて解答を読むとき,「なぜ解けなかったか」を考える。
2)問題を解くときの指針
「問題の内容理解」
・問題文をしっかり理解してから問題に取り組む。 ・この問題は「何がポイントなのか」を考える。 ・この問題は,どの分野の問題であるか考える。 ・問題の中の「言葉で書かれている条件」を数式に直す。 ・問題の中の「与えられたもの」と「求めようとしているもの」の関係を考え る。 ・問題に含まれている
「隠れた条件を探す」
・問題の中にある式の意味を理解する。 ・問題文の中にある言葉の定義を考える。 ・図が書けるときは,図を書く。
「解くための計画」
・問題が解けないとき,何かそれに似た問題を解いてみる。 ・はじめは1つの条件だけで問題を考えてみて,後で他の条件について考える。 ・いくつかの解法を考えて,一番良さそうなものから順に試してみる。 ・できるだけ解く前に,答えを予想する。 ・問題の結論から逆に,問題を考える。 ・問題の解き方を考えるため,できるだけ問題を単純にする。
「解き方」
・問題に使えそうな解き方をできるだけ思い出す。 ・同じような問題を以前解いたことがないか考える。 ・問題のどこか一部でも,解くことができないかやってみる。 ・「変数に適当な数値を代入する」など,問題を具体的に考えてみる。 ・「四角形のときは正方形,文字に0とか1を代入する」など,特別な場合(数 値)を考えて解を 確認する。 ・問題の中の条件が互いにどんな関係にあるか考える。 ・問題を解いているときに,条件を満しているかどうか注意する。 ・問題の解き方の手順を考えてから,解き始める。 ・できるだけ簡単な解き方がないか考える。 ・計算を簡単にできないかどうか考えるようにしている。 ・今やっていることが解に近づいているかを考える。 ・計算ミスがないかどうか注意して解いている。
「解いた後の確認」
・解き終えたとき,問題文の中の条件や数値を全部使ったか確認する。 ・解き終えたとき,間違いがないか確認する。
以下に挙げる指針は、福島県立原町高校教諭・長谷勝幸氏が筆者の指導で書き上げた修士論文(筑波大学教育研究科提出)
「高校数学における学習スキルと信念・意欲と学業成績との関係」
からのものです。氏の許可を得ましたので、やや長くなりますが、引用してみました。
元々は、数学の学習法のチェックリストとして作られたものですが、ここでは、それを指針として表現し直し、さらに部分的な変更を加えてみました。
1)数学の知識習得のための指針
「習熟」
・似た問題をいくつか解く。 ・ある問題の解き方をわかったならば,関係する応用問題を解くようにしてい る。 ・できるだけ多くの問題を解く。 ・「解けない」問題は,後でもう一度考えてみる。 ・公式の使い方を問題を解きながら覚える。 ・わかる問題でも解いてみる。
「理解」
・解答を読むとき,「なぜその解き方が出てきたか」を理解しようとする。 ・解答を読むとき,「解答のところどころで何をやっているのか」を考える。 ・問題の内容や解き方についてイメージを浮かべる。 ・問題の解き方を「自分なりの言葉」でまとめる。 ・公式,定理の証明を理解しようとする。 ・記号や式の意味を理解しようとする。
「まとめ方」
・問題を解いた後で,何を学んだか振り返る。 ・章や節の「ポイントは何か」を考える。 ・同じような問題を学習しているとき,解き方の違いに注意する。 ・同じような問題を何題か解いたとき,それらに共通なことは何かを考える。 ・以前自分が覚えた内容と今勉強している内容との間にどんな関係があるのかを考える。
「探求」
・問題を解いたとき,先生や友達に解き方を説明できるくらいにしようとする。 ・解き終えたとき,もっと良い方法がないか考える。 ・解けなくて解答を読むとき,「なぜ解けなかったか」を考える。
2)問題を解くときの指針
「問題の内容理解」
・問題文をしっかり理解してから問題に取り組む。 ・この問題は「何がポイントなのか」を考える。 ・この問題は,どの分野の問題であるか考える。 ・問題の中の「言葉で書かれている条件」を数式に直す。 ・問題の中の「与えられたもの」と「求めようとしているもの」の関係を考え る。 ・問題に含まれている
「隠れた条件を探す」
・問題の中にある式の意味を理解する。 ・問題文の中にある言葉の定義を考える。 ・図が書けるときは,図を書く。
「解くための計画」
・問題が解けないとき,何かそれに似た問題を解いてみる。 ・はじめは1つの条件だけで問題を考えてみて,後で他の条件について考える。 ・いくつかの解法を考えて,一番良さそうなものから順に試してみる。 ・できるだけ解く前に,答えを予想する。 ・問題の結論から逆に,問題を考える。 ・問題の解き方を考えるため,できるだけ問題を単純にする。
「解き方」
・問題に使えそうな解き方をできるだけ思い出す。 ・同じような問題を以前解いたことがないか考える。 ・問題のどこか一部でも,解くことができないかやってみる。 ・「変数に適当な数値を代入する」など,問題を具体的に考えてみる。 ・「四角形のときは正方形,文字に0とか1を代入する」など,特別な場合(数 値)を考えて解を 確認する。 ・問題の中の条件が互いにどんな関係にあるか考える。 ・問題を解いているときに,条件を満しているかどうか注意する。 ・問題の解き方の手順を考えてから,解き始める。 ・できるだけ簡単な解き方がないか考える。 ・計算を簡単にできないかどうか考えるようにしている。 ・今やっていることが解に近づいているかを考える。 ・計算ミスがないかどうか注意して解いている。
「解いた後の確認」
・解き終えたとき,問題文の中の条件や数値を全部使ったか確認する。 ・解き終えたとき,間違いがないか確認する。