天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「去年の冬、きみと別れ」@11本目

2018年03月19日 | 映画感想
「去年の冬、きみと別れ」

中村文則氏の小説を映画化。原作未読です。
主人公の駆け出しのフリーライター「耶雲恭介」役を3代目J Soul Brothersの岩田剛典くん、疑惑のカメラマン「木原坂雄大」役を斉藤工さん、
耶雲のフィアンセ「松田百合子」役に山本美月ちゃん他、浅見れいなさん、北村一輝さん等が出演。監督は瀧本智行氏。

あらすじ
結婚を間近に控えた駆け出しのフリーライター「耶雲恭介(岩田剛典)」は1年前に起こった猟奇殺人事件の容疑者で天才カメラマンの「木原坂雄大(斉藤工)」を追い、
事件の真相を本にしようと取材していた。木原坂には自分が狙ったターゲットを監禁した過去があり、更には他人の彼女だと知ると積極的に欲しがる
という性癖があるという事が見えて来た。そんなある日、耶雲のフィアンセ「松田百合子(山本美月)」が木原坂によって監禁されたらしいと知る…

予告編が超煽ってるよね…キャッチコピーは「観た人全員ダマされる」だったっけ?
この手のドンデンオチ系サスペンスってあんまり事前に煽っちゃうと皆物凄くハードル上げて観るから、ちょっとでも穴があるとまあ突くはヤジるは散々よね^^;
自分も自称・推理小説好きなので、推理小説を読み解くセオリー・チェック要素を取りこぼさないように注意しながら鑑賞。←要するに意地悪な見方してるって事だなw
 ※以下、オチバレしまくりなので、本作未見の方は絶賛スルー推奨します。ネタバレ・オチバレ上等!という方は自己責任で(滝汗)

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先ず本編が始まった最初に「第二章」とタイトルが表示されたので「はーん、正に推理小説によくあるある~だな」と。
導入部分が第二章という事は、その前に必ず「第一章」があって、その第一章で本作の重要なカギになる出来事が起こってるという事を観客に示している訳です。
…と、どんどん意地悪目線加速(苦笑)

で、やっぱり観ているとトコロドコロで「ん?」「あれ?」と引っ掛かるセリフだったりシーンがチョイチョイと出てくる訳ですね。
その引っ掛かる部分の1つ1つが「あーコレってもしかしてこの人が○○って事か」「あ、だから耶雲は…」とか少しずつ伏線のオチは見えてくるものの
どうしてもそのバラバラに提示されている伏線ネタが自分の頭の中で繋がらなかった。点は1つまた1つと見えてくるのにその点と点が線で繋がらなかったという感じ。
という事は…自分も上手い事本作にダマされた、という事なんでしょうね。

ただちょっと残念だなーと思ったのが、1年前の事件の真相がつまびらかになるのが、いきなり「あの人」がペラペラと語った、という種明かし方法。
そこが本作の大オチじゃないからスルーするべきなのかもしれないけど、ちょっと展開が乱暴過ぎる気がします。
しかもその「殺人事件の真相の告白」が行われたのがまだこの事件の裁判が行われる前(または裁判中)の出来事だったというのも引っ掛かる。
この告白を聞いた人間が警察にチクらないとも限らない、そうなればこの事件の判決もまるで違った事になった訳で。
そんな重要な告白がそんなに簡単にゲロられちゃうというのがどうにもしっくり来ませんでしたね。しかもこの時に10年以上前の別の事件の真相と
それに絡む重要人物の名前までペラペラと喋っちゃっている訳で。コレはいくらなんでもちょっとやり過ぎ…^^;

岩ちゃん、ちょっといい役者さんになって来た気がします。恋愛モノでニコニコ爽やかな笑顔振り撒いてるだけの印象しかなかったんだけど(コラコラ
本作かなり難しい役と言うか、多分今まで作った事のない表情をしなければいけないシーンが多々あったように思いますが、かなりの好演だったと思います。
まあ斉藤工さんや北村一輝さんは盤石ですよね。彼らは何やらせても上手いですよ。特に斉藤工さんってちょっとキチ入った感じがセクシーでいいワ♪(ヲイ
それより個人的には山本美月ちゃんを買ってるんだ。彼女、役者デビュー当時は「いかにも絵ヅラに華を添えるだけのモデルちゃん枠」って感じだったけど
最近特に色んな役やって演技の幅がすごく広がってる感じがする。
TVなんだけどちょっと前にやってた「刑事ゆがみ」というドラマでPTSDで喋れないという複雑で面白い役を演じてて「この子上手くなったなぁ」と思ったワ。

クライマックスのオチバレシーンはほぼ主人公の語りで明らかにされていて、コレも先程の「1年前の事件真相の告白」と方式が被るのがぷち痛い。
むしろこのオチバレは岩ちゃんがドーン☆と幅利かすシーンなので語り一本でも良しなんだが…やっぱ1年前の方は何か他の方法で真相が明らかになった、
という体にした方がインパクトがあったんじゃないかなーっと思うんですよね。
じゃあどういう方法で提示すればベターだったの?って聞かれると口モゴモゴになっちゃうんだけどさー。そこ誰か考えてくれたら傑作の予感なんだよぅ~^^;

まあ、でもサスペンス物としては概ね満足出来る作りだったと思います。役者さんの魅力もふんだんに出ていたと思うしダレる部分も全くなかったしね。
最後の最後で敢えてケチ付けるなら…エンディングの曲、アレはこの映画には全く合わんやろ?なんであの曲なん?
岩ちゃんのいい感じの表情でウットリしたところであの曲流れて来て「あああああ?」ってなったわどーしてくれるんぢゃい^^;
コメント
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