天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「ラストナイト・イン・ソーホー」@55作目

2021年12月15日 | 映画感想
「ラストナイト・イン・ソーホー」

丁度いい時間に上映してる作品を探していて、本作の映画紹介の文面をチラリと見たら「タイムリープホラー」って書いてあって。
タイムリープ?ってなんぞや?と思ったんだけどそれよりも「ホラー」の方がもっと気になる…自分ホラー系全般超苦手ですスプラッターとか絶対ムリ!><
でもチラ見した感じ、なかなか市井の評判が良さそうだし気になるし。てな訳でどーにもダメだったら途中退場だっていいだろ!ダメ元で観ておけ!てな感じで~^^;

あらすじ
ファッションデザイナー志望のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、寮生活に向かず一人暮らしをすることに。新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と出会い、肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。(Yahoo!Movieから丸パク)

うんコレは観ておいてよかったヤツやで!
正直…若干絵ヅラ的に「ヒエェッ(怖)」ってシーンちょいちょいありましたが(滝汗)、それを補って余りある良作!
先ず出てる役者さんが可愛い!主人公の「エリー(エロイーズ)」を演じたソーマシン・マッケンジーも、そして彼女が夢の中で見る「サンディ」を演じたアニャ・テイラー=ジョイもどちらも甲乙付けがたい愛らしさ!ソーマシン・マッケンジー嬢は「オールド」に出演していたらしい。自分観てるのに大して可愛かった記憶が無いのは何故なんだろう…本作の方が彼女の愛らしさが爆発してますよ!

ところで自分、エリーがアパートに移って一晩目の夢が始まった時、最初何が起こってるのかちょっと分からなくて…サンディとエリーが同一人物?あれ?でも鏡に映った姿が???みたいにちょっと混乱してしまいましてね、しばらく見ていてようやく「ああ、コレはエリーが見ている夢の中の様子で、サンディという女の子は夢の中の登場人物なんだけどエリーはサンディと自分を同一視している、というのを視覚的に見せているという事なのかな?」と解釈した訳ですが。
この「夢の中でサンディを鏡に映すとエリーが映っている」映像が凄く面白かった。ダンスシーンとかCG使わずに撮影してるって何処かで読んだけど、どーやってんだろ?

あ、そんな事よりも先ず先に説明しておかなければならない特記事項として、主人公のエリーは「(幽霊が)見える体質」だという事。
彼女の母親は彼女が幼い頃に心が病んで自死しており、ロンドンの学校に入学するまではド田舎で母方の祖母と2人暮らししていたんだけど、しょっちゅう母親の姿を目にしていてそれが当たり前みたいな状態になっている。祖母もエリーの見える体質を理解していて(もしかしたら遺伝なのか?)ロンドン行きを若干心配している状態。
そんなこんなで先の夢の話に戻りますが…最初の内はエリーが大好きな60年代のファッショナブルで楽しげな夢が見られたとご機嫌で、学校でも夢の中でサンディが来ていた服をそのままデザイン画に起こして教師からべた褒めされてイケイケドンドン状態なんですが、ソーホーでお買い物をしていてふと目に留まった古い建物の意匠が夢の中で見たモノと全く同じだった事から「あれ…」となり、そして毎晩眠るとサンディが登場する夢の続きが繰り広げられていく事からどうやらこの夢は60年代にこのエリーが使っている部屋に住んでいた女の子に起こった出来事をそのまままるっと見ているのだ、と気付く訳です。

この辺りから話は不穏な方向に向かっていきます。そして自分の苦手系絵ヅラが…な訳ですが、それを我慢しても続きが気になって仕方ないから観たわさ!^^;
夢の中の出来事がどうやら本当に60年代に起こっていた事件なのだ、と確信した辺りからヤバい幻影を四六時中到る処で目にするようになってエリーが病んでいきます。
この辺りで色んな伏線が同時多発的に起こっている訳ですが、ネタ出しとその回収が本当にお見事でしたわ!あのジジイは絶対にあの人だよね!って私も思ったよ!でもエリーもやっぱりそう思ったという事は違うのか…じゃああのジジイ誰だよ!とかさ、もう見事にまんまと引っ掛かったわクソ恥ずかしい><
そして何故しつこくしつこく幻影がエリーに襲いかかってくるのか、に関しても「そんなもん単なるホラーとしてオイシイ絵ヅラからだろ」程度にしか考えてなかった自分が頭弱過ぎて泣く。本作本当に色んな事がちゃんと理由があってちゃんと筋立っているんですよホラーだから怖がらせればいいぢゃねーんだわ自分100年反省しろ!

60年代ロンドンのソーホーのナイトクラブ、若くて可愛い女の子が歌手として大成する事を夢見て夜の世界に飛び込むけど…結局体のいい風俗嬢扱いにされて(涙)
そんな、フェミさん達が観たらまたしても爆発しそうなネタなんですが(苦笑)、話のオチがなかなか面白い方向に転がっていきます。
自分全く気付かなかったなーこのオチは。久し振りに本当に「してやられたー!」ってなった。確かにホラー系ではあるんだけど物凄く秀逸なミステリー物ですよ本作。
本作の監督さん、「ベイビー・ドライバー(2017)」という作品を撮ってて、それが凄く高評価だったそうで。自分ベイビー~観てないんですよね。本作が本当に良く出来てるなー面白いなーと思ったのでベイビー~も探して今度観てみようと思います。こうやって見逃した過去作品を掘り起こすのもまた映画の醍醐味ですね!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする