「アナログ」
ビートたけし氏著の初の恋愛小説をニノ(二宮和也)と波瑠ちゃんのダブル主演で実写映画化。
あくまでも「ビートたけし」名義なんですね。「北野武」名義とどういうルールで使い分けているんでしょうか?きっと何かこだわって使い分けてるんだろうと思いますが自分はよくワカリマセン。そして北野氏は原作小説の著書というだけで本作に関しては脚本や監督・演出や制作等には一切携わっていない感じ?これもこだわりなのかな?
あらすじ
デザイナーの水島悟(二宮和也)は自身が内装を手掛けた喫茶店「ピアノ」で美春みゆき(波瑠)と出会う。手作りの模型や手書きのイラストなどにこだわる悟は、携帯電話を持たないみゆきに自分と似たものを感じる。悟とみゆきは、毎週木曜にピアノで会い、ゆっくりと距離を縮めていく。しかし、みゆきは突然店に姿を見せなくなる。(Yahoo!検索情報から丸パク)
「令和の時代にスマホも持たずに生きているうら若き女性」という段階でタイトルのアナログというよりも今や奇人の域だと思うんだけど、と言うか最初のアプローチの段階で「Line交換を…」みたいな話になったトコロで相手に「あ、私携帯持ってないんですぅ」ってもしも言われたら…十中八九「ああごめんなさいされちゃいましたねヘヘヘッしつこくしてサーセン!」って思うよねぇ。あの会話でその後も会える関係に繋げていくのなかなかハードル高かったと思うんだけどなw
タイトルの「アナログ」は単に「イマドキ携帯も持っていない女性との恋愛」を指している訳では無く…勿論そこも掛けているけれど主人公の悟自身の仕事のスタンスにも存分に表現されていました。イマドキ室内設計を手ずから鉛筆で書き起こす、3Dミニチュア模型を制作する等…20年前だったとしてももうこんな事するヤツ居なかっただろーよ、と苦笑するレベルのアナログ感。
それからいつまで経ってもぎこちない悟とみゆきの会話。波瑠ちゃん演じる「みゆき」が話す日本語はイマドキの若者言葉からは何光年も離れたトコロにある「古き良き昭和時代の深窓のご令嬢言葉」で、最早浮世離れしていると思わざるを得ないレベルで、そのみゆきに歩幅を合わせて会話している悟も友人達とじゃれ合っている時とは明らかに違う緊張感を持って会話している様子が窺える。
それが、美しく見える。
正直、話の展開はまるっと透けて見えるしオチまで想像通りだった訳ですが(苦笑)、本作はそういう展開予想に心を砕くミステリでもサスペンスでもなく、ありきたりな展開のありきたりな(ちょっぴりドラマティックな)恋愛ドラマを良い役者さんの演技を観ながら美しい日本語を聞いて浸って癒される、というのが正しい鑑賞方法なのだと思います。
主役2人のキャラクターもとても良くハマっていたと思いますね。自分は個人的にニノ推しなのでニノが出演している映画はなるべく劇場でチェックしておきたいなーという感じで本作も観に行ったんですが、ニノの泣きの演技は上手いよーハマるんだよー✨
本作静かで穏やか~に話が動いていくし、ぶっちゃけ恋愛模様としては今一つ盛り上がりに欠ける展開でなかなか主演のお二人は感情移入が難しかったんじゃなかろうかと思いますが、とても美しい大人の恋愛として昇華されていて観ていて癒されましたね。
最近は恋愛映画であってもなかなかトリッキーな展開を求められがちな風潮だと思いますが、たまにはこういう「THE・王道」もいいもんですね♪^^