PART6「泥だらけの純情」はこちら。
大映テレビとはどんな存在かというと、『スチュワーデス物語』『不良少女と呼ばれて』『スクール☆ウォーズ』が代表作であることからもわかるように、やけに大げさなナレーションをバックに、最初から最後までテンションが高い演技、意味不明な効果音、そしてベタなストーリー展開で知られている。
百恵が主演した赤いシリーズもその典型。血縁だの復讐だのが入り乱れ……えーと、もっとはっきりいうと宇津井健がいきなりバレエを踊り出すようなドラマです。オンエア順に以下のとおり。
赤い迷路 74年10月~75年3月 宇津井健 松田優作
赤い疑惑 75年10月~76年4月 宇津井健 八千草薫降板→渡辺美佐子 岸恵子
赤い運命 76年4月~10月 宇津井健 岸田今日子 三国連太郎
赤い衝撃 76年11月~77年5月 三浦友和 中条静夫 草笛光子
(赤い激流)非主役 宇津井健 水谷豊 松尾嘉代 竹下景子77年6月~11月
赤い絆 77年12月~78年6月 国広富之 左幸子 井川比佐志
(赤い激突)非主役 宇津井健 松尾嘉代 国広富之 石立鉄男 岸恵子 78年6月~12月
人はそれをスキャンダルという 78年11月~79年4月 永島敏行 三国連太郎 篠田三郎
赤い死線 80年11月7、14日 宇津井健 三浦友和 三国連太郎
※「赤い疑惑」で八千草薫が降板したのは、例によって百恵の収録に時間がとれず、からみの演技ができないことに八千草が切れたためらしい。意外だ。
※「人はそれを~」と冗長なタイトルなのは、「醜聞(スキャンダル)」というタイトルに決定していたのにスポンサーに嫌われたためらしい。そのせいもあってか視聴率は低迷した。
シリーズのなかで百恵は育ての親だの生みの親だのに翻弄され(視聴者が百恵の実生活と重ね合わせていたことはまちがいない)、石立鉄男にいびられ中条静夫にはウサギあつかい……大変だったみたいだ。
みたいだ、というのはわたしは大映ドラマが苦手なのでほとんど見ていなかったから。2クール二十数回もの間、このドロドロした世界に耽溺するのはしんどいでしょう?って当時からやる気のない視聴者だったわけだ。
まあ、それでも高校時代には「Rの女」ってフレーズがやけに流行ったので「赤い激流」だけはちょっと見てました。ところで「Rの女」ってなんだっけ(^o^)
PART8「ロックンロール・ウィドウ」につづく。