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距離の測定方法には三種類あるとお伝えしましたが、どの方法にも欠点はあります。
①キルビメーターを地図の上で転がす場合
これ、熟練の技が必要です。地図上の道路をコロコロなぞるわけですから、わずかなズレが大きな差になってしまいます。測定職員のスキルの差が通勤距離に影響するとすれば、これは問題でしょう。
②電子地図ソフトを使用する場合
著作権法上の問題はともかく、市街地はかなり正確でも、田舎の方がどうもおぼつかない傾向があります。しかしちゃんと斜度まで計算基礎に入れているのだとか。
その斜度について、他県の事務職員はこう考察しています。
>>どんなアルゴリズムなんでしょうか。道路の斜度はどこも一様ではないし。単純にコサイン関数で計算してみると、斜度5度で1km当り約4m、10km当り約40m。斜度10度で1km当り約20m、10km当り約190m。斜度15度で1km当り約55m、10km当り約550m等々。平野部ではほとんど気にすることはないと分かりました。(πを3.14としました)
……うわ。三角関数まで出てきた。もうすっかり忘れてるのに。いや、きっと高校を風邪で休んだ日に授業でやったんだろうな。そうだそうだそうに決まった。
③自家用車のトリップメーターで“実測”する場合
これが、実は大問題なのです。みなさんのクルマの車種にまで影響するお話は来月に。
※画像は、あの劔岳の三角点。
09年8月号「年金のお知らせ」につづく。