事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「インセプション」 Inception (2010 ワーナー)

2010-07-29 | 洋画

Inceptionlast  それにしてもレオナルド・ディカプリオとは勤勉な俳優だ。常に問題作、常に話題作を選択して精力的に出演し、結果に当たり外れはあるものの、それなりにスターとしての地位を確固たるものにしている。

 毎晩のように映画を観まくっているトム・クルーズや、来日の疲れを毛ほども見せずにディオールのドレスをまとって優美にふるまうアンジェリーナ・ジョリーにしても、現代においてスターでいることは、ほんとうに消耗する作業だと思う。

 その、疲れを知らないディカプリオが「シャッターアイランド」につづいて選んだのは「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン完全オリジナル作。「インセプション」とは、他人の夢のなかにアイデアを“植え付ける”という意味。

 いきなりネタバレになるようだが、この映画におけるディカプリオは、他人の夢に同期してアイデアを盗み取る産業スパイ。渡辺謙が演じるサイトーの依頼をうけて、ライバル社をたたきつぶすためにインセプションを行う、というストーリーになっている。

 この“夢”が、実は四層にもなっていて、かなり複雑。下の層にいくにつれて実際の時間との乖離が大きくなる……なんて仕掛けはノーランの出世作「メメント」(ハリウッド版「博士の愛した数式」ですよ。味わいはダークだけど)を思わせる。

読者で見た人は例外なくわけわかんねー、と音を上げてますが、わたしもなぜ最下層の夢にサイトーが“落ちてくる”のかわかりませんでした。

 しかし、こしゃくなぐらいにうまい映画であることも確か。

インセプションを完遂するために泣かせるシーンを挿入するなど、夢の世界を設計する仕事が映画作りとよく似ていることを感じさせるし、無限の刻のなかで、あるカップルがやっていたことはひたすら記憶を再現することだったあたりの哀しさもいい。

当然、夢の世界におけるアダムとイブには悲劇が待っているんだけど、それと反比例するような現実世界でのハッピーエンドとのバランスもおみごと。

全世界で日本でだけヒットしなかった「ダークナイト」の反省からか、重要な役で渡辺謙を起用し、オープニングは日本が舞台。ほいでラストがまたオシャレなんだ。ほんと、イヤミなほどにうまい映画なのでした。やるのぉ。

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吉野家 VS すき家

2010-07-29 | 食・レシピ

 まず、自分の立場を明確にしておいた方がいいと思う。わたしははっきりと吉野家派。すき家?そんなバッタモンみたいな牛丼が食えるかっ。

 でも気づけば売り上げ、店舗数ともに日本一の座はすき家に移っているんですって。その要因は……

・値下げ攻撃を常に先導し

・女性が入りやすいようにテーブル席を増やしたり、牛丼を“かきこむ”イメージを払拭するためにスプーンを常備するなどの工夫が奏功

・おろしポン酢やねぎ玉などの新メニューが当たり、カレーやうな丼も好調に推移している

……こんなとこかな。吉野家は米産牛肉にこだわって、狂牛病のために看板の牛丼をしばらくお休みしなければならなかったし、すき家がオーストラリア産牛肉にさっさと乗りかえたのと対称的。しかも、生え抜きの社長は値下げに消極的で、おかげで見る間にシェアを落としていった。

 でも、二日続けて牛丼をいただいた経験をいかして、吉野家派からも反論させていただこう。

 確かに、すき家のつくりは女性が入りやすいようになっている。介護を必要とするようなお母さんといっしょに元同僚が定食を楽しんでいるのはうれしい眺めだった。

 でも、メニューが多様化しているということは、それだけオーダーや調理に手間がかかるのであり、すき家のバイトが(おそらく)慣れていないこともあってイライラさせられた。わたしのとなりにすわった客にたいして

「すいませんオーダーを送信する機械の電池が切れてしまいまして、オーダーが入っていなかったんですぅ。もう一度お願いできますか?」

切れるのは電池じゃなくて客の方かとハラハラ。

 その点、吉野家はシンプルそのもの。

「並」

の一声ですべてが解決。味もおなじみだしね。なにぃ、吉野家に女性がひとりで入るのは恥ずかしい?仕事のできる女は前からパーッと吉野家に飛びこんで、牛丼かっくらってパーッと飛び出していったもんだ!それこそが吉野家流だっ!……こういうオヤジくさいところがダメなんすか。そうですか。

コメント (4)
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