社内報というのはおよそつまらないもんである。もっと正確に言うとこれほど“面白いことをまったく期待されていない”メディアもめずらしい。
ひとりよがりであることが許されないのだ。なにしろ読者がみんな知り合いであることが前提なんだから。書き手の思い入れ厳禁、なのね。
……ああ事務職員部報とか支部の情宣でかましてきた数々のひとりよがりを思いだし(笑)、だからこそ日本推理作家協会報でここまで逢坂剛がやっていてくれたのかと勝手に共感。
でも、さっきの前提とは矛盾するけど、登場する人物がすべてミステリ作家であることで爆笑でもある。
逼迫する協会の財政を、宮部みゆきが大なたをふるって再建したとか(さすが簿記学校出身!)、北方謙三、大沢在昌、逢坂の三バカトリオが果たした功績は大きいなあとか、ルックスから想像できるように真保裕一はまじめな人なんだなあとか、なんでこの人たちはこんなにソフトボールに拘泥するのであろうとか、面白さ抜群。
やはり、エンタテインメント系作家はどうころんでも(身内をふくめて)読者を楽しませてしまうんだなあ。