事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

山本五十六ふたたび。

2012-01-07 | 邦画

Isorokumifuneimg01_2 PART1はこちら

山本五十六の生涯は何度も映画化されていて、有名なのは1968年の三船敏郎バージョンと1981年の「連合艦隊」かな。こちらの五十六は小林桂樹。どちらも東宝。

68年の「山本五十六」で印象的だったのは、米軍の銃撃を受けた五十六が、姿勢を崩さずに前を見つめたまま絶命しているシーン。子ども心に三船敏郎の顔が怖かったー。これ、映画じゃなくて少年マガジンかサンデーで巻頭特集されていたのでおぼえています。

「連合艦隊」は、前の年に東映が「二百三高地」(笠原和夫脚本)で大もうけしたので、戦争映画ならウチが本家だとばかりに東宝がかっとばした勝負作。

サヨク学生だったので、むせかえる右翼臭、主題歌があの谷村新司(「群青」)なのを嫌ってパスしてました。でも話によるとお坊さんでもある監督の松林宗恵が、その宗教観、戦争観を叩きつけた作品というふれこみ。ちょっと面白そう、とディスカス。

明白に「二百三高地」の影響まるかぶり。戦争にすりつぶされていく庶民、残虐な戦闘シーン、泣かせのきっかけとしてのニューミュージック(笑)とか。

東映の新作との違いは、キャスティングによって歴史をわかりやすく断罪している点か。

こちらの南雲忠一は金子信雄(「仁義なき戦い」の山守親分)、軍令部を指揮して現場を混乱させた永野修身には悪役でおなじみ小沢栄太郎。わかりやすい。まあ「山本五十六」の方も、近ごろの悪役は全部この人が引き受けているような伊武雅刀なのでおんなじか。

興味深いのは、参謀長としての宇垣纏のあつかい。新作では中村育二がまわりから浮いている感じで演じていたが、「連合艦隊」では高橋幸治がシニカルに、そして威風堂々として存在感ありあり。実際に複雑な人だったようなので、歴史上のキーパーソンだったのかも。これから見る人はそのあたりも楽しんでね。ああまた終わらない。以下次号

Isorokukeijuimg02_2

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする